“正体”のいろいろな読み方と例文
旧字:正體
読み方割合
しょうたい81.8%
しやうたい4.5%
えたい2.3%
せいたい2.3%
せうたい2.3%
たわい2.3%
アイデンテテイ2.3%
ムザネ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これがおれの正体しょうたいじゃないか。今まで不安を忘れたり、避けたりして、ごまかして来たんじゃないか。おれだけじゃなく、みんな。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
が、ではない。ばさりととなへたはおとで、正体しやうたい二本にほん番傘ばんがさ、トじやひらいたはいゝが、古御所ふるごしよすだれめいて、ばら/\にけてる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
例えば、蟹だか蛸だか鮟鱇あんこうだか正体えたいの判らぬ魚を眼前めさきへ突き付けて、「さあ、これうまく食わしてれ」と云われては、大抵の料理番もいささ逡巡たじろぐであろう。いわんや素人の小生に於てをや。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
正体せいたいの仮名に対するもので、「か」ならば「か」は正しい形として「〓」とか「〓」とかいうもの、まだ幾らもありますが、こういうものを「か」のかわった形と認め
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
さりながらお寫眞しやしんあらば一まい形見かたみいたゞきたし此次このつぎ出京しゆつけうするころにははや立派りつぱ奧樣おくさまかもれず、それでもまたつてたまはるかとかほをのぞけば、ひざして正体せうたいもなし
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ついに睫毛まつげとざしている奥を見るために、彼は正体たわいなく寐入った細君を、わざわざゆすり起して見る事が折々あった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ストウンとギブスンに見張ポストを譲って船橋ブリッジを降りると同時に彼は、個人的な、心持ちから、其の「変な船」の正体アイデンテテイを調べてみる気になった。
運命のSOS (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
人形を祭礼の中心にするのは、八幡系統の神社に著しいけれども、離宮八幡以外にも、山城の古社で人形を用ゐる松尾の社の様なのがあり、春日も人形を神の正体ムザネとする場合がある様だ。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)