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しょうたい
ふりがな文庫
“
正体
(
しょうたい
)” の例文
旧字:
正體
これがおれの
正体
(
しょうたい
)
じゃないか。今まで不安を忘れたり、避けたりして、ごまかして来たんじゃないか。おれだけじゃなく、みんな。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
が、どちらが
正体
(
しょうたい
)
でどちらが
影法師
(
かげぼうし
)
だか、その辺の際どい消息になると、まだ俊助にははっきりと見定めをつける事がむずかしかった。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大体
(
だいたい
)
に
於
(
おい
)
て
申
(
もう
)
しますと、
天狗
(
てんぐ
)
の
正体
(
しょうたい
)
は
人間
(
にんげん
)
よりは
少
(
すこ
)
し
大
(
おお
)
きく、そして
人間
(
にんげん
)
よりは
寧
(
むし
)
ろ
獣
(
けもの
)
に
似
(
に
)
て
居
(
お
)
り、
普通
(
ふつう
)
全身
(
ぜんしん
)
が
毛
(
け
)
だらけでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そのうちにだんだんお
酒
(
さけ
)
のききめが
現
(
あらわ
)
れてきて、
酒呑童子
(
しゅてんどうじ
)
はじめ
鬼
(
おに
)
どもは、みんなごろごろ
酔
(
よ
)
い
倒
(
たお
)
れて、
正体
(
しょうたい
)
がなくなってしまいました。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「いや、もうじきにくるだろう。」と、おばけかなんかのように、そのつじうら
売
(
う
)
りの
正体
(
しょうたい
)
がわからないので、
気味
(
きみ
)
わるがっていたのです。
つじうら売りのおばあさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
稀に来る都人士には、彼の甲斐々々しい百姓姿を見て、
一廉
(
いっかど
)
其道の
巧者
(
こうしゃ
)
になったと思う者もあろう。村の者は
最早
(
もう
)
彼の
正体
(
しょうたい
)
を看破して居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
こうして、何だか
正体
(
しょうたい
)
の分らないこの妙な事件は、田鍋課長側と目賀野側との間に喰いちがいのあるままでそれから先を別々に進行していった。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それを、
大人
(
おとな
)
たちは、しんみょうな
顔
(
かお
)
つきでおがんでいますが、いったい、おいなりさんの
正体
(
しょうたい
)
はどんなものか、それをしりたくてたまりません。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
おじさんは
汗
(
あせ
)
をかいて、へとへとになり、それでもあきらめずに、なんとかして鉄棒の化けものをたたき落として
正体
(
しょうたい
)
を
見破
(
みやぶ
)
ろうと、追いつづけ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
この男は、お祭りのこないさきからぐでんぐでんによっぱらって、朝から晩まで、
正体
(
しょうたい
)
もなく寝こけている。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
自分の頭の中には、今見て来た
正体
(
しょうたい
)
の解らない黒い空が、
凄
(
すさ
)
まじく一様に動いていた。それから母や兄のいる三階の宿が波を幾度となく
被
(
かぶ
)
って、くるりくるりと廻り出していた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その男の
正体
(
しょうたい
)
が、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
であることはいうまでもない。なまじ町人すがたにばけたりなどすると、かえってさきが、ゆだんをしないと見て、
生地
(
きじ
)
のままの
反間苦肉
(
はんかんくにく
)
がみごとに当った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千三は一足先に家へ帰った、母はまだ
正体
(
しょうたい
)
がない。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
これで、
毎年
(
まいねん
)
村
(
むら
)
を
荒
(
あ
)
らして、
人身御供
(
ひとみごくう
)
を
取
(
と
)
る
荒神
(
あらがみ
)
の
正体
(
しょうたい
)
が、じつは
猿
(
さる
)
の
化
(
ば
)
け
物
(
もの
)
であったことが
分
(
わ
)
かって、
村
(
むら
)
のものはやっと
安心
(
あんしん
)
しました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
しかし
近頃
(
ちかごろ
)
ではもうそんな
拙
(
へた
)
な
真似
(
まね
)
はいたしません。
天狗
(
てんぐ
)
がどんな
立派
(
りっぱ
)
な
姿
(
すがた
)
に
化
(
ば
)
けていても、すぐその
正体
(
しょうたい
)
を
看破
(
かんぱ
)
して
了
(
しま
)
います。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
前髪の垂れた若侍、——そう云うのを皆甚内とすれば、あの男の
正体
(
しょうたい
)
を見分ける事さえ、
到底
(
とうてい
)
人力には及ばない筈です。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
このものは、考えれば考えるほど、おそろしい
正体
(
しょうたい
)
を持っていると思われてくるのです。まさに二十世紀がわれわれに、おきみやげをする
奇蹟
(
きせき
)
である。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大人
(
おとな
)
たちは、
神
(
かみ
)
さまの
正体
(
しょうたい
)
をみるなどということは、だいそれたことで、ばちがあたって
目
(
め
)
がつぶれたり、
手
(
て
)
や
足
(
あし
)
がまがってしまうぞ、とおどかすばかりで
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「なんだ、からすがとまってもなんでもないじゃないか。」といって、どっと
押
(
お
)
しよせてきました。そして、
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
自分
(
じぶん
)
たちをだましていた
正体
(
しょうたい
)
を
見破
(
みやぶ
)
ってしまいました。
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
以下、
野獣
(
やじゅう
)
のごとき
残党輩
(
ざんとうばら
)
。
竹童
(
ちくどう
)
のあげた
狼煙
(
のろし
)
も、
伊那丸軍
(
いなまるぐん
)
の出動も知らず、みなゆだんしきッた
酒宴
(
さかもり
)
の
歓楽最中
(
かんらくさいちゅう
)
。なかにはすでに
酔
(
よ
)
いつぶれて、
正体
(
しょうたい
)
のない
野武士
(
のぶし
)
さえある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老人は少々不機嫌の
体
(
てい
)
に蓋を払いのけた。下からいよいよ
硯
(
すずり
)
が
正体
(
しょうたい
)
をあらわす。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
怒
(
いか
)
りくるった男は、ついにじぶんから
正体
(
しょうたい
)
をあらわしたのだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
十六人の女たちは、ほとんど
正体
(
しょうたい
)
もないらしかった。彼等の口から洩れるものは、ただ意味のない笑い声か、苦しそうな
吐息
(
といき
)
の音ばかりであった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「どうしても、許しがたいのは、それからあとのお前の
所業
(
しわざ
)
だ。おまえはエックス線で、わたしの
正体
(
しょうたい
)
を知ろうとした。この神聖なわたしの正体を!」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お
姫
(
ひめ
)
さまのおとうさまとおかあさまは、ふしぎに
思
(
おも
)
って、どうかしてそのお
婿
(
むこ
)
さんの
正体
(
しょうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けたいと
思
(
おも
)
いました。そこである日お
姫
(
ひめ
)
さまに
向
(
む
)
かって
三輪の麻糸
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あのおいなりさんの
正体
(
しょうたい
)
をみてからも、
諭吉
(
ゆきち
)
の
生活
(
せいかつ
)
には、べつだんかわったことがありませんでした。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
彼
(
かれ
)
は、
町
(
まち
)
の
植木屋
(
うえきや
)
を
呼
(
よ
)
びました。そして、
光
(
ひか
)
るものの
正体
(
しょうたい
)
を
探
(
さぐ
)
りにゆこうといいだしました。
大根とダイヤモンドの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(この
奇妙
(
きみょう
)
な男の
正体
(
しょうたい
)
を見きわめてやれ!)
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
「よォし。今夜は、一つ
正体
(
しょうたい
)
を確かめてやろう。いいか、みんな夜中の十二時を廻ったら、裏門前に集るんだ!」
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしはとうとう
泰成
(
やすなり
)
のために
祈
(
いの
)
り
伏
(
ふ
)
せられて、
正体
(
しょうたい
)
を
現
(
あらわ
)
してしまいました。そしてこの
那須野
(
なすの
)
の
原
(
はら
)
に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
んだのです。けれども
日本
(
にっぽん
)
は
弓矢
(
ゆみや
)
の
国
(
くに
)
でした。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
殊に「
御言葉
(
みことば
)
の
御聖徳
(
ごしょうとく
)
により、ぱんと酒の
色形
(
いろかたち
)
は変らずといえども、その
正体
(
しょうたい
)
はおん
主
(
あるじ
)
の
御血肉
(
おんけつにく
)
となり変る」
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
町
(
まち
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、こう
話
(
はなし
)
をきめたのであります。そして、その
正体
(
しょうたい
)
を
見
(
み
)
とどけようと
思
(
おも
)
いました。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこで
毎晩
(
まいばん
)
御所
(
ごしょ
)
を
守
(
まも
)
る
武士
(
ぶし
)
が
大
(
おお
)
ぜい、
天子
(
てんし
)
さまのおやすみになる
御殿
(
ごてん
)
の
床下
(
ゆかした
)
に
寝
(
ね
)
ずの
番
(
ばん
)
をして、どうかしてこの
妖
(
あや
)
しい
鳴
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
の
正体
(
しょうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けようといたしました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「きさまらは、X号の一味のくせに、ぼくの
正体
(
しょうたい
)
がわからないのか。ぼくこそ、ほんとうの谷博士だぞ」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お蓮はそう尋ねながら、相手の
正体
(
しょうたい
)
を直覚していた。そうしてこの
根
(
ね
)
の抜けた
丸髷
(
まるまげ
)
に、
小紋
(
こもん
)
の羽織の
袖
(
そで
)
を合せた、どこか影の薄い女の顔へ、じっと眼を注いでいた。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
驚
(
おどろ
)
いたのは、ねずみよりも
自動車
(
じどうしゃ
)
の
運転手
(
うんてんしゅ
)
だったのです。
正体
(
しょうたい
)
のわからぬ、
黒
(
くろ
)
いものをひいてはたいへんだと
思
(
おも
)
ったのでしょう、にわかにハンドルを
曲
(
ま
)
げて、
避
(
さ
)
けようとしました。
ねずみの冒険
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「うん、判ったぞオ。これは
怪力線
(
かいりょくせん
)
に違いない。
噂
(
うわ
)
さに聞いた怪力線の出現。ああ、そうだ。紙洗大尉の奴、井筒副長から何か言われてたっけが、あれが『
天佑
(
てんゆう
)
』の
正体
(
しょうたい
)
なんだな」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
たいまつをとぼし、ろうそくをつけて
正体
(
しょうたい
)
をよく
見
(
み
)
ますと、
頭
(
あたま
)
はさる、
背中
(
せなか
)
はとら、
尾
(
お
)
はきつね、
足
(
あし
)
はたぬきという
不思議
(
ふしぎ
)
なばけもので、
鵺
(
ぬえ
)
のような
鳴
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
を
出
(
だ
)
して
鳴
(
な
)
いたことがわかりました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「何か
正体
(
しょうたい
)
の知れないものを、——言わばロックを支配している星を。」
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
青二には、このあやしい動物の
正体
(
しょうたい
)
を、はっきりいいあてることができなかった。
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と
言
(
い
)
って、
舌
(
した
)
つづみをうって、ばばあ
汁
(
じる
)
のおかわりをして、
夢中
(
むちゅう
)
になって
食
(
た
)
べていました。それを
見
(
み
)
てたぬきのおばあさんは、
思
(
おも
)
わず、「ふふん。」と
笑
(
わら
)
うひょうしにたぬきの
正体
(
しょうたい
)
を
現
(
あらわ
)
しました。
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
兄は、私から渡された例の
白毛
(
しらげ
)
のことを思い出し、それの
正体
(
しょうたい
)
を
一刻
(
いっこく
)
も早く知りたい気持で一ぱいで、小田原の警備隊の中からひとり脱け出でると、この谷村博士邸へ帰ってきたのだそうです。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
時
(
とき
)
、
六部
(
ろくぶ
)
は、「どうも
神
(
かみ
)
さまといっているが、これはきっと
何
(
なに
)
かの
悪
(
わる
)
い
化
(
ば
)
け
物
(
もの
)
に
違
(
ちが
)
いない、ちょうど
幸
(
さいわ
)
い
今夜
(
こんや
)
はここに
一晩
(
ひとばん
)
泊
(
と
)
まって、
悪神
(
わるがみ
)
の
正体
(
しょうたい
)
を
見届
(
みとど
)
けてやろう。」という
決心
(
けっしん
)
をしました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
僕は水中電話器を通して、何者とも
正体
(
しょうたい
)
の知れない
土塊
(
どかい
)
に声をかけた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なんだい、あの化物の
正体
(
しょうたい
)
は」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“正体”の意味
《名詞》
人物や事物のかくされた本来の姿や形。本体。素性。
正気。意識。
仏教でいう神や仏の本体。御神体。
(出典:Wiktionary)
正
常用漢字
小1
部首:⽌
5画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“正”で始まる語句
正
正午
正直
正面
正月
正気
正鵠
正宗
正行
正吉