“ひく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒク
語句割合
57.4%
19.2%
8.3%
1.9%
1.1%
日暮1.1%
1.1%
0.8%
悲苦0.8%
0.8%
0.8%
0.8%
肥躯0.8%
0.4%
0.4%
卑低0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
挽割0.4%
0.4%
火喰0.4%
秘句0.4%
落籍0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これより他木さらになく、俗に唐松といふもの風にたけをのばさゞるがこずゑは雪霜にやからされけん、ひくき森をなしてこゝかしこにあり。
諸侯も礼を厚うして、辞をひくうしなければ教えを乞うことのできぬ人だから、高杉もこの人に逢っては、油を絞られるのもぜひがない。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
客舍の前にはたけひくたくましげなる男ありて、車の去るを見送りたるが、手に持てる鞭を揮ひて鳴らし、あたりの人に向ひていふやう。
先生しぇんしぇい此処こゝは天神前で、わしはおめえさんと喧嘩する事は、うなったからは私はひくに引かれぬから、お前さん方三人にかゝられた其の時は是非がえ事じゃが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長谷川うじ——あたしの父で、彼の婿である。常磐津ときわずの師匠の格子戸へ犬のふんをぬった不良若衆で、当時でのモダン代言人である。——あたしは、彼のデコボコ頭のひくみにたまったごみをながめた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ときはあるもの飯田町いひだまち學校がくかうよりかへりがけ、日暮ひくまへ川岸かしづたひをさびしくれば、うしろより、ごゑいさましくけしくるまのぬしは令孃ひめなりけり、何處いづくかへりか高髷たかまげおとなしやかに
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この見上みあぐるばかりな、これほどのたけのあるはこのあたりでつひぞことはない、はしたもと銀杏いてふもとより、きしやなぎみなひくい、土手どてまつはいふまでもない、はるかえるそのこずゑほとん水面すゐめんならんでる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
更に「し人を殺すをたしなまざる者有らば、天下の民皆くびを引いてこれを望まん、誠にかくの如くんば民のこれに帰するほ水のひくきに就くが如し、沛然はいぜんとして誰かくこれをふせがん」
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
赤き悲苦ひく、赤きくるめき
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かゝる時は修羅しゆらを二ツも三ツもかくるなり。材木は雪のふらざる秋りてそのまゝ山中におき、そりを用ふる時にいたりてひきいだす。かゝる大材をもひくをもつて雪のかたきをしるべし。
前にもしば/\いへるごとく、我国の雪冬はこほらざるゆゑ、冬にそりをつかへば雪におちいりてひくことならじ。輴は春の雪鉄石のごとくこほりたる正二三月の間に用ふべきもの也。
江戸の町にいふ店下たなしたを越後に雁木がんぎ(又はひさし)といふ、雁木の下広くして小荷駄こにだをもひくべきほどなり、これは雪中にこのひさし下を往来ゆきゝためなり。
鯨狼アー・ペラーの檻、その餌となる氷漬の魚の箱。ダブダブ揺ぐようなおのぶサンの肥躯ひくも、今はエスキモーさながらに毛皮にくるまっている。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
いぢけた、ひくい椰子の木立
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
さて王が苑に遊ぼうと思い智馬を召すと、すなわち背をひくくす。王これは背に病があるのかと問うに、御者答えて王の乗りやすいように背を偃くし居るという。王それに乗って河辺に至れば馬進まず。
「あの男は駄目だよ、理想が卑低ひくいから、妻君も下品で話しにならん。」
空想としての新婚旅行 (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
小腰をひくめて「ちょいとお湯へ」と云ッてから、ふと何か思い出して、きもつぶした顔をして周章あわてて、「それから、あの、若し御新造ごしんぞさまがおかえんなすって御膳ごぜん召上めしやがるとおッしゃッたら、 ...
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
昌作の方は、背の高い割に肉がげて、漆黒まつくろな髪をわざとモヂヤ/\長くしてるのと、度のひくい鉄縁の眼鏡を掛けてるのとで二十四五にも見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
とげ翌朝泉岳寺へ引取けるに大勢の見物は雲霞うんかの如く忽ち四方に評判聞えけりこゝに庄左衞門がいもうと美麗びれいにして三味線みせんなどよくひくゆゑ品川の駿河屋何某のもとへ縁付けるに庄左衞門が父十兵衞は古稀こきに近くこしは二重に曲居まがりゐるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せなを叩きて、「風邪をひくな。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あるじがもてなしとて、いも蕪菜かぶなを味噌汁にしたるなかにいぶかしきものあり、案内がさし心えていふやう、そは秋山の名物の豆腐とうふ也といふ。豆をひく事はせしがかすこさざるゆゑあぢなし。
悠〻然と鑿を衣服なり垢穢きたなき爺もあり、道具捜しにまごつく小童わつぱ、頻りに木を挽割ひく日傭取り、人さま/″\の骨折り気遣ひ、汗かき息張る其中に、総棟梁ののつそり十兵衞
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
まことこのみな聖人せいじんなるも、えきしてわたくのごとひくきことあたはず。すなは(一〇〇)能仕のうしづるところあらず。そう富人ふうじんあり、あめりてかきやぶる。
熱砂ねっさは舞い、火喰ひくい鳥は走り、カンガルーは飛び、先住民族たる原地人は、幅の広い鼻の下に白い骨を横に突き刺して附近に出没しゅつぼつし、そのたびに、青竜刀せいりゅうとうがなくなったり
散魔文さんまもん秘句ひくをとなえ、手の禅杖ぜんじょうをふりあげ、エイッ! と水流を切断せつだんするように打ちおろした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
裏は天地で間に合っても、裲襠しかけの色は変えねばならず、茶は切れる、時計はとまる、小間物屋は朝から来る、朋輩は落籍ひくのがある、内証では小児こどもが死ぬ、書記の内へ水がつく、幇間たいこもちがはな会をやる
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大路の事であるから、たかき人も行き、ひくき者も行き、職人も行き、物売りも行き、老人も行けば婦人も行き、小児も行けば壮夫も行く、亢々然こうこうぜんと行くものもあれば、踉蹌ろうそうとして行くものもある。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)