“ひく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒク
語句割合
58.0%
21.5%
9.1%
1.4%
日暮1.4%
1.4%
0.9%
悲苦0.9%
肥躯0.9%
0.5%
(他:9)4.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひがしたゞひく水田すゐでんはたけとで村落むらあひだ點在てんざいしてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あられゆきをもよおすくもそらひくくかかり、大烏おおがらす羊歯しだうえって、
普通の武士ならば、相手が誰であらうと、身分のひくいものであればあるほど、無礼の程は容赦をしなかつた時代であります。
大帝其前に立ち、辞をひくうして云ふやう、我が尊敬する哲人よ、君し何等か欲する所あらば、願くは我に言へよかし。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
両側を限る山裾は刈り込んだようにひくい灌木が叢生している許りで、あれ程人を苦めた絶壁はもう影も形も見せなくなった。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
長さ二町にも余る雪田の上には、雪崩の為に掻き取られた大きな土の塊が二つ三つ横たわって、ひくい灌木などが生え茂っている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
長命寺ちやうめいじより四五けん此方こなたにてすゝむひくもならず、他の時なればうるさき混雑こんざつやと人をいとおこるべきに
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
先生しぇんしぇい此処こゝは天神前で、わしはおめえさんと喧嘩する事は、うなったからは私はひくに引かれぬから、お前さん方三人にかゝられた其の時は是非がえ事じゃが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此雜沓このざつとうなかといひれもおもらぬことなれば日暮ひくれよりはにもつまじと思案しあんして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日暮ひくまへ川岸かしづたひをさびしくれば、うしろより、ごゑいさましくけしくるまのぬしは令孃ひめなりけり
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
誰かが、不用だといっていたインバネスが、身長たけひくいおじいさんの、丁度よい外套になりはしたが——
きしやなぎみなひくい、土手どてまつはいふまでもない
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
——あたしは、彼のデコボコ頭のひくみにたまったごみをながめた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
此噐の用はいまだ詳ならざれどこれを手に取りて持ち加減かげんより考ふるに、兩方りやうはうの掌を平らにならべ其上に此噐を受け、掌をひくくして噐のそこに當て
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
燃ゆる死滅の灰を揚ぐ、ああ、わりなげの悲苦ひく遊戲ゆげ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
赤き悲苦ひく、赤きくるめき、
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鯨狼アー・ペラーの檻、その餌となる氷漬の魚の箱。ダブダブ揺ぐようなおのぶサンの肥躯ひくも、今はエスキモーさながらに毛皮にくるまっている。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そこへドヤドヤ靴音がして、外事課員まで網羅した全機能を率いて、捜査局長熊城卓吉くましろたくきち肥躯ひくを現わした。法水は頓狂な声をあげて、
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
高き者は腹に在り、ひくき者は辺に在り、中なる者は角に在り。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
いぢけた、ひくい椰子の木立、
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
さて王が苑に遊ぼうと思い智馬を召すと、すなわち背をひくくす。
小腰をひくめて「ちょいとお湯へ」と云ッてから、ふと何か思い出して、きもつぶした顔をして周章あわて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
昌作の方は、背の高い割に肉がげて、漆黒まつくろな髪をわざとモヂヤ/\長くしてるのと、度のひくい鉄縁の眼鏡を掛けてるのとで二十四五にも見える。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
悠〻然と鑿を衣服なり垢穢きたなき爺もあり、道具捜しにまごつく小童わつぱ、頻りに木を挽割ひく日傭取り、人さま/″\の骨折り気遣ひ、汗かき息張る其中に、総棟梁ののつそり十兵衞
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ここでは、熱砂ねっさは舞い、火喰ひくい鳥は走り、カンガルーは飛び、先住民族たる原地人は、幅の広い鼻の下に白い骨を横に突き刺して附近に出没しゅつぼつし、そのたびに、青竜刀せいりゅうとうがなくなったり
加賀見忍剣かがみにんけんは、はじめて破術はじゅつの法を思いだして、散魔文さんまもん秘句ひくをとなえ、手の禅杖ぜんじょうをふりあげ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜具の皮は買わねばならず、裏は天地で間に合っても、裲襠しかけの色は変えねばならず、茶は切れる、時計はとまる、小間物屋は朝から来る、朋輩は落籍ひくのがある、内証では小児こどもが死ぬ
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大路の事であるから、たかき人も行き、ひくき者も行き、職人も行き、物売りも行き、老人も行けば婦人も行き、小児も行けば壮夫も行く、亢々然こうこうぜんと行くものもあれば、踉蹌ろうそうとして行くものもある。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)