“蕪菜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぶらな60.0%
かぶな40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女の心は山のように蕪菜かぶらなを積み重ねた流しもとの方へ行った。青々と洗われた新しい蕪菜が見えて来た。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
膳の上を見わたすに、かゆと汁と芋と鮭の酪乾少しと。温き飯の外は粥を喰ふが例なり。汁は「すまし」にて椎茸しいたけ蕪菜かぶらなの上に卵を一つ落しあり。菜は好きなれどこの種の卵は好まず。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
あるじがもてなしとて、いも蕪菜かぶなを味噌汁にしたるなかにいぶかしきものあり、案内がさし心えていふやう、そは秋山の名物の豆腐とうふ也といふ。豆をひく事はせしがかすこさざるゆゑあぢなし。
余念も無く蕪菜かぶなを洗ふ女の群の中に、手拭に日をけ、白い手をあらはし、甲斐々々かひ/″\しく働く襷掛たすきがけの一人——声を掛けて見ると、それがお妻で、丑松は斯の幼馴染の様子の変つたのに驚いてしまつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)