ひく)” の例文
此噐の用はいまだ詳ならざれどこれを手に取りて持ち加減かげんより考ふるに、兩方りやうはうの掌を平らにならべ其上に此噐を受け、掌をひくくして噐のそこに當て、左右の拇指おやゆびを噐の上部にけて噐をさへ
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
長谷川うじ——あたしの父で、彼の婿である。常磐津ときわずの師匠の格子戸へ犬のふんをぬった不良若衆で、当時でのモダン代言人である。——あたしは、彼のデコボコ頭のひくみにたまったごみをながめた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そして私達の登ろうとするアレトは、メョンヒの頂上から東南に曳いて、その裾はこのフィルンを横ぎって、右側につづくトゥルークベルクに接している、その一番ひくいところがメョンヒ・ヨッホで
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)