ひく)” の例文
誰かが、不用だといっていたインバネスが、身長たけひくいおじいさんの、丁度よい外套になりはしたが——
この見上みあぐるばかりな、これほどのたけのあるはこのあたりでつひぞことはない、はしたもと銀杏いてふもとより、きしやなぎみなひくい、土手どてまつはいふまでもない、はるかえるそのこずゑほとん水面すゐめんならんでる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この見上ぐるばかりな、これほどのたけのある樹はこのあたりでついぞ見た事はない、橋のたもと銀杏いちょうもとより、岸の柳は皆ひくい、土手の松はいうまでもない、はるかに見えるそのこずえほとんど水面と並んで居る。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)