“拖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
37.5%
ひき25.0%
ひく25.0%
12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頭はまどうかがは堂にくという素晴らしい大きさである。葉公はこれを見るやおそれわなないてげ走った。その魂魄こんぱくを失い五色主無ごしきしゅなし、という意気地無さであった。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
山々の喬木たかききも春二月のころは雪にうづまりたるがこずゑの雪はやゝきえ遠目とほめにも見ゆる也。此時たきゞきるやすければ農人等のうにんらおの/\そりひきて山に入る、或はそりをばふもとおくもあり。
かゝる時は修羅しゆらを二ツも三ツもかくるなり。材木は雪のふらざる秋りてそのまゝ山中におき、そりを用ふる時にいたりてひきいだす。かゝる大材をもひくをもつて雪のかたきをしるべし。
小野さんの靴は、湿しめっぽい光をはばかるごとく、地に落すかかと洋袴ズボンすそに隠して、小路こうじ蕎麦屋そばや行灯あんどんまで抜け出して左へ折れた。往来は人のにおいがする。地にく影は長くはない。丸まって動いて来る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)