“さも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サモ
語句割合
卑27.6%
陋20.7%
鄙13.8%
淺猿3.4%
左母3.4%
侍3.4%
卑劣3.4%
卑賤3.4%
宛3.4%
彷彿3.4%
蔑3.4%
賤3.4%
陋劣3.4%
髣3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それと同時に、何がなしに此の老人が、頭の二つや三つ擲つてやつても可(い)い程卑(さも)しい人間のやうに思はれて来た。
道 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その強烈な香りが梯子段とつつきの三疊の圭一郎の室へ、次の間の編輯室から風に送られて漂うて來ると、彼は怺(こら)へ難い陋(さも)しい嗜慾に煽(あふ)り立てられた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
仮令ば彼塔倒れた時生きて居やうか生きたからう歟、ゑゝ口惜い、腹の立つ、お浪、それほど我が鄙(さも)しからうか、嗚呼〻〻生命も既(もう)いらぬ、我が身体にも愛想の尽きた
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
彼(かれ)の淺猿(さも)しい心(こゝろ)が僅(わづか)な米(こめ)や麥(むぎ)を※(あね)なるものゝおつたに騙(だま)して取(と)られたかと思(おも)ひ出(だ)しては暫(しばら)くの間(あひだ)忌々敷(いま/\し)さに堪(た)へなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「それだんべな」勘次(かんじ)は漸(やうや)くこれだけいつた。淺猿(さも)しい彼(かれ)はおつたへやつた南瓜(たうなす)を換(か)へて置(お)いたのであつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「縁談は降るほどあるが、隣に住んでゐるこれも彫物師で、本田左母(さも)次郎といふのが、お雪さんの父親の弟弟子だつた相で、何んでもお雪さんと一緒になり度いと、大變な騷ぎですよ」
「お孃さんは、お隣の彫物師の左母(さも)次郎と親しい相だが——」
恋しき日や侍(さも)らひなれし東椽(とうえん)の隅のはしらにおもかげ立たむ
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子、増田雅子、与謝野晶子(著)
此ごろ名高き誰れ彼れの奧方の縁にすがりて、今の位置をば得たりと聞ゆるも多きに、これを卑劣(さも)しきことゝ誹るは誹るものゝ心淺きにて、男一疋なにほどの疵かはつかん
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
前垂(だ)れ襷(たすき)の縁をはなれず、井戸端に米やかしぐらん、勝手元に菜切庖丁や握るらん、さるを卑賤(さも)しき營業(なりはひ)より昇りて、あの髭どのを少さき手の内に丸め奧方とさへ成り澄ませば
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
光陰(くわういん)は矢よりも早く流るゝ水に宛(さも)似(に)たり正徳元年辛卯年(かのとうどし)と成(な)れり玉之助も今年七歳になり嘉傳次が病死の後は感應院方へ引取(ひきとら)れ弟子となり名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
含(ふく)み二下り讀では莞爾々々(にこ/\)と彷彿(さも)嬉(うれ)し氣(げ)なる面持(おももち)の樣子を篤(とく)と見留て長庵は心に點頭(うなづき)つゝ頓(やが)て返書を請取千太郎よりも小遣(こづか)ひとて金百疋(ぴき)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貴人は言わぬ、こう言う種類の噂は、えて供をして見て来た道々の博士たちと謂った、心蔑(さも)しいものの、言いそうな事である。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
相変らず賤(さも)しい愚痴も出て、たまに買って来る好きなオレンジも、めったに彼女の口へ入らず、肉や肴(さかな)も思いやりなく浚(さら)われてしまうのだそうであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
陋劣(さも)しきことゝ誹るは誹る者の心浅きにて、男一疋なにほどの疵かはつかん。草がくれ拳を握る意久地なさよりも、ふむべき為のかけはしに便りて、をゝしく、たけく、栄ある働を
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
こゝはや藪の中央ならむと旧(もと)来(き)し方(かた)を振返(ふりかへ)れば、真昼は藪に寸断されて点々星に髣(さも)髴(に)たり。なほ何程(なにほど)の奥やあると、及び腰に前途(ゆくて)を視(なが)む。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)