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淺猿
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さも
彼の
淺猿しい
心が
僅な
米や
麥を
※なるものゝおつたに
騙して
取られたかと
思ひ
出しては
暫くの
間忌々敷さに
堪へなかつた。
「それだんべな」
勘次は
漸くこれだけいつた。
淺猿しい
彼はおつたへやつた
南瓜を
換へて
置いたのであつた。
それでも
勘次は
從來よりも
餘計に
費やさねばならぬ
穀物に
就いて
彼の
淺猿しい
心が
到底騷がされねばならなかつた。
勘次は
卯平の
居ぬ
時にはそれとはなく
獨りぶつ/\と
呟くことがあつた。