淺猿さも)” の例文
新字:浅猿
かれ淺猿さもしいこゝろわづかこめむぎあねなるものゝおつたにだましてられたかとおもしてはしばらくのあひだ忌々敷いま/\しさにへなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「それだんべな」勘次かんじやうやくこれだけいつた。淺猿さもしいかれはおつたへやつた南瓜たうなすへていたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでも勘次かんじ從來これまでよりも餘計よけいつひやさねばならぬ穀物こくもついてかれ淺猿さもしいこゝろ到底たうていさわがされねばならなかつた。勘次かんじ卯平うへいときにはそれとはなくひとりぶつ/\とつぶやくことがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)