“陋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ろう35.8%
いや26.4%
さも11.3%
いやし9.4%
むさ5.7%
きたな3.8%
せま3.8%
きた1.9%
サモ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「横浜開港五十年史」はこれを引いて正弘をろうとしてゐるが、渡辺修次郎さんは「川路聖謨之生涯」を引いてこれを反駁した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
他が為に家庭趣味を説くはいやしい、人の各自に其の家庭趣味を談じて、大いに其の趣味を味うというは、人世の最大なる楽事であるまいか。
家庭小言 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかし今度のは——こう謂っちゃさもしい様ですが——礼金が欲しさに働きましたので、表面おもてむきはともかく、謂わば貴下に雇われたもおなじでございます。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
江戸時代に町人と称して自らいやしうしておった城下の店持ちでも、ほとんと一戸として昔からの商人であったものはないといってよろしい。
家の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
でも、そこはほんの二人だけの……むさくるしいところですから……せっかくいらして下さっても、お泊めすることもできませんの。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
勿論? 勿論ですとも! 何奴なにやつか知らんけれど、実にきたない根性、けちな奴等です。然し、怨を返すといふ点から謂つたら、奴等は立派に目的を
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ベナビデスの店はプラツア・デ・カタルニア街というのにあったが、この町がまた貧民窟も貧民窟、物凄くせまくるしい町であった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
彼が五尺の痩躯そうくきたなき木桶の中にありながら、しかも彼の心は飄悠へういうとして宇宙に高遊せり。貧困は彼に於て最良の、しかして又最愛の友なりき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
羨しいものだと、高野に來た誰も彼もが言ふが、——内典を研究する人たちには、さう言ふゆとりがあるから羨しいよ。博士よ進士シンジよと言つても、皆サモしい者ばかりでね——。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)