山々の櫻の散り盡した後に、大塔中堂の造立供養は行はれたのであつた。 それでも、春の旅と言へば、まづ櫻を思ふ習はしから、大臣は薄い望みを懸けてゐた。若し、高野や、吉野の奧の花見られることのありさうな、靜かな心踊りを感じて居たのであつた。 廿七 …
| 著者 | 折口信夫 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 文字種別 | 旧字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約22分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約36分(300文字/分) |
| 著者 | 折口信夫 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 文字種別 | 旧字旧仮名 |
| 読書目安時間 | 約22分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約36分(300文字/分) |