“せま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セマ
語句割合
30.5%
24.1%
20.4%
11.8%
3.9%
2.6%
1.8%
1.1%
狭隘0.9%
0.7%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
狭量0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仁右衛門はそれを見ると腹が立つほど淋しく心許こころもとなくなった。今まで経験した事のないなつかしさ可愛さが焼くように心にせまって来た。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
微賤びせんの一僧侶そうりよ吉宗ぬしの落胤らくいんと稱し政府せいふせまる事急にして其證跡しようせきも明かなれば天下の有司いうし彼に魅入みいれられ既にお世繼よつぎあふがんと爲たりしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ただ花の器官に大小広狭こうきょう、ならびに色彩しきさいの違いがあるばかりだ。すなわち最外さいがいの大きな三ぺん萼片がくへんで、次にあるせまき三片が花弁かべんである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
せまい家の中は天井裏から床下まで調べあげましたが、搜すものが見付からない先に主人の石卷左陣が歸つて來たのです。それを見ると
「基督も『せまき門よりれよ』と仰有つたぢやないか、お前達がこんなステツキなぞ持つてたら窄い門を入るのに邪魔にならあ。」
百里の遠きほかから、吹く風に乗せられてかすかに響くと思うに、近づけば軒端のきばれて、枕にふさぐ耳にもせまる。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
而も此のせまい所に鉄の棒や歯の附いた車の様な物が所々に突き出て居る、云わば一種の機械工場とも云う可き光景なのだ。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
しかも、先方さきは、義理ぎり首尾しゆびで、差當さしあたつてはわるところを、お前樣まへさま突詰つきつめて、つて、かきへいも、押倒おしたふ突破つきやぶる、……ちからで、むね掻毮かきむしるやうにあせるから、をなごせまつて
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
城内の街の狭隘せまさは、二人並んで歩くことさえ出来ぬ。凸凹の激しいその道には豚血牛脂流れ出しほとんど小溝をなしている。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
次第に、谷がせまって来る、水は、大石の下に渦を巻く。深いところは紫を浅いところは藍を流している。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ひと足遅れてのぼり来る姫の息せまりて苦しげなれば、あまたたび休みて、ようよう上にいたりて見るに、ここはおもひの外に広く、めぐりに低き鉄欄干をつくり、中央に大なる切石一つ据ゑたり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
然るを、世の通ぜざるもの、間々ままこれを疑うあり。蓋し又せましと謂つべし(謹聴々々)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
一四九身禊みそぎして一五〇厭符えんぷをもいただき給へと、いざなひて陰陽師の許にゆき、はじめよりつばらにかたりて此のうらをもとむ。陰陽師うらかうがへていふ。わざはひすでに一五一せまりてやすからず。
一一九応保おうほうの夏は美福門院びふくもんゐんいのちせまり、長寛ちやうくわんの春は一二〇忠通ただみちたたりて、われも其の秋世をさりしかど、なほ一二一嗔火しんくわさかんにしてきざるままに、つひに大魔王となりて、三百余類の巨魁かみとなる。
羅子らし水滸すいこせんして、三世唖児あじみ、紫媛しゑん源語げんごあらはして、一旦悪趣につるは、けだごふのためにせまらるるところのみ。
かつ父の為義をしいせしむくいせまりて、一一五家の子にはかられしは、天神あまつがみたたりかふむりしものよ。
「拙者は余り処世にも気の持ちようにも狭量せますぎた。この人達の伊達寛達だてかんたつに学ぶところがある」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たくみなりと雖もせまる。本句におよばず。(老学庵筆記、巻四)
さしせまった苦しさというものは、勇気を与えるが、それも長く忍んでいると詠歎的になってしまうものだ。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
大統領は、例のねちねちした云い方で、金博士にせまった。そのとき金博士は言下げんかに応えた。