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迫
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せま
ふりがな文庫
“
迫
(
せま
)” の例文
外
(
そと
)
から
見
(
み
)
て、
何人
(
なんぴと
)
か、ここに
悲
(
かな
)
しみがあると
思
(
おも
)
うだろうか。むろんここには
近所
(
きんじょ
)
まで
迫
(
せま
)
った
飢餓
(
きが
)
もなければ
貧困
(
ひんこん
)
もなかったのでした。
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
微賤
(
びせん
)
の一
僧侶
(
そうりよ
)
吉宗ぬしの
落胤
(
らくいん
)
と稱し
政府
(
せいふ
)
に
迫
(
せま
)
る事急にして其
證跡
(
しようせき
)
も明かなれば天下の
有司
(
いうし
)
彼に
魅入
(
みいれ
)
られ既にお
世繼
(
よつぎ
)
と
仰
(
あふ
)
がんと爲たりしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
疲れていると言うよりは、そのような無縁のものを考えるより、私には、
迫
(
せま
)
り来つつある自らの死のことが気になっていたのだ。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
その日の夕飯はさびしかった、酒を飲んで
喧嘩
(
けんか
)
をするのは困るが、さてその人が
牢獄
(
ろうごく
)
にあると思えばさびしさが
一層
(
いっそう
)
しみじみと身に
迫
(
せま
)
る。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
かくて
逢坂
(
おおさか
)
に逃げ退いて、向かい立つてまた戰いましたが、遂に追い
迫
(
せま
)
り敗つて近江のササナミに出て悉くその軍を斬りました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
そして年をとつた男の人たちは笑ひ出し、若い人達は、胸を騷がせてゐる彼等の好きなひと達の御用をつとめようと、頻りに
迫
(
せま
)
つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
だが彼が帰化を決心し、日本の土となることを
覚悟
(
かくご
)
した時、言い知れぬ寂しさとやるせなさが、心の底にうずつき
迫
(
せま
)
るのを感じたであろう。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
人間界
(
にんげんかい
)
ではないものを……と、
唯
(
たつ
)
た
今
(
いま
)
、
亭主
(
ていしゆ
)
に
死
(
し
)
なれたやうな
聲
(
こゑ
)
をして、
優
(
やさ
)
しい
女房
(
にようばう
)
は
涙
(
なみだ
)
ぐむ。
思
(
おも
)
ひがけない、
可懷
(
なつか
)
しさに
胸
(
むね
)
も
迫
(
せま
)
つたらう。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かれらが
失望
(
しつぼう
)
落胆
(
らくたん
)
すべき
必然
(
ひつぜん
)
の
時期
(
じき
)
はもはや目のまえに
迫
(
せま
)
っていると思うと、はらわたが
煮
(
に
)
えかえってちぎれる心持ちがする。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
金魚屋
(
きんぎょや
)
は、その
住宅
(
じゅうたく
)
と
土地
(
とち
)
とを
抵当
(
ていとう
)
にして
老人
(
ろうじん
)
に
取
(
と
)
られて、
再
(
さい
)
三
再
(
さい
)
四
立退
(
たちの
)
きを
迫
(
せま
)
られている。
怨恨
(
えんこん
)
があるはずだと、
当局
(
とうきょく
)
は
睨
(
にら
)
んだのであつた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
すでにきのうあたり、海上の敵数千ぞうは、
室
(
むろ
)
ノ
津
(
つ
)
をうずめ、陸上軍も、福山、
三石
(
みついし
)
を抜いて、
破竹
(
はちく
)
、
播磨
(
はりま
)
ざかいへ
迫
(
せま
)
ッて来つつあるという。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
是故にいかなる
災
(
わざはひ
)
のわが身に
迫
(
せま
)
るやを聞かばわが願ひ
滿
(
み
)
つべし、これ
豫
(
あらかじ
)
め見ゆる矢はその中る力弱ければなり。 二五—二七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ロミオ はて、それは
深切
(
しんせつ
)
の
爲過
(
しすご
)
し。いっそ
迷惑
(
めいわく
)
。おのが
心痛
(
しんつう
)
ばかりでも
心臟
(
しんざう
)
が
痛
(
いた
)
うなるのに、
足下
(
きみ
)
までが
泣
(
な
)
いてくりゃると、一
段
(
だん
)
と
胸
(
むね
)
が
迫
(
せま
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
與吉
(
よきち
)
は
紙包
(
かみづゝ
)
みの
小豆飯
(
あづきめし
)
を
盡
(
つく
)
して
暫
(
しば
)
らく
庭
(
には
)
の
騷
(
さわ
)
ぎを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが
寮
(
れう
)
の
内
(
うち
)
に
㷀然
(
ぽつさり
)
として
居
(
ゐ
)
る
卯平
(
うへい
)
を
見出
(
みいだ
)
して
圍爐裏
(
ゐろり
)
に
近
(
ちか
)
く
迫
(
せま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大袈裟な心配が真に
迫
(
せま
)
って湧いてきて、始終小笠原の顔を見ていないと不安で心細くて今にも消滅しそうな思いがした。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかしここまで来た上は、なにかを掴まないと引返すことは出来ない。
鬼気
(
きき
)
迫
(
せま
)
ると共に、大隅理学士の全身には、だんだんと勇気が燃え上って来た。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
困苦をともにした友に危難の
迫
(
せま
)
った場合、
無慈悲
(
むじひ
)
に見捨て去るとは、実に見下げた人だ。
八幡
(
はちまん
)
のたたりを恐れられい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
人々は平八郎に
迫
(
せま
)
つて
所存
(
しよぞん
)
を問うたが、
只
(
たゞ
)
「いづれ
免
(
まぬか
)
れぬ身ながら、少し
考
(
かんがへ
)
がある」とばかり云つて、打ち明けない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
奥の壁つきには六字
名号
(
みょうごう
)
の
幅
(
ふく
)
をかけ、
御燈明
(
おとうみょう
)
の光ちら/\、
真鍮
(
しんちゅう
)
の
金具
(
かなぐ
)
がほのかに光って居る。
妙
(
みょう
)
に
胸
(
むね
)
が
迫
(
せま
)
って来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
美奈子は、もっと何か
云
(
い
)
いたそうだったが、
烈
(
はげ
)
しい興奮のために、胸が
迫
(
せま
)
ったのだろう、そのまゝ
口籠
(
くちごも
)
ってしまった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
山
(
やま
)
を
切
(
き
)
り
崩
(
くづ
)
して、それに
引添
(
ひきそ
)
ふやうに
建
(
た
)
てられたこの
家
(
いへ
)
の二
階
(
かい
)
からは、
丁度
(
ちやうど
)
迫
(
せま
)
らぬ
程度
(
ていど
)
にその
斜面
(
しやめん
)
と
空
(
そら
)
の一
部
(
ぶ
)
とが、
仰臥
(
ぎやうぐわ
)
してゐる
私
(
わたし
)
の
目
(
め
)
に
入
(
はい
)
つて
來
(
く
)
る。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
その時
逞
(
たくま
)
しい黒犬が一匹、
稲妻
(
いなずま
)
のように踏切へ飛びこみ、目前に
迫
(
せま
)
った列車の車輪から、見事に実彦を救い出した。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
わたし
)
にも
生
(
うま
)
れた
家
(
いゑ
)
が
御座
(
ござ
)
んするとて
威丈高
(
いたけたか
)
になるに
男
(
をとこ
)
も
堪
(
こら
)
えず
箒
(
はふき
)
を
振廻
(
ふりまわ
)
して、さあ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
けと
時
(
とき
)
の
拍子
(
ひやうし
)
危
(
あや
)
ふくなれば、
流石
(
さすが
)
に
女氣
(
おんなぎ
)
の
悲
(
かな
)
しき
事
(
こと
)
胸
(
むね
)
に
迫
(
せま
)
りて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
つつましい女が、身を
以
(
もっ
)
て
迫
(
せま
)
るような甘美なところもあり、なかなか以て棄てがたい歌である。「面隠さるる」は
面隠
(
おもがくし
)
をするように自然になるという意。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
童子は母さまの魚を砕く間、じっとその
横顔
(
よこがお
)
を見ていられましたが、
俄
(
にわ
)
かに
胸
(
むね
)
が
変
(
へん
)
な
工合
(
ぐあい
)
に
迫
(
せま
)
ってきて気の
毒
(
どく
)
なような
悲
(
かな
)
しいような何とも
堪
(
たま
)
らなくなりました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
すでにその
身
(
み
)
の
死期
(
しき
)
に
迫
(
せま
)
ったのを
知
(
し
)
って、イワン、デミトリチや、ミハイル、アウエリヤヌイチや、また
多数
(
おおく
)
の
人
(
ひと
)
の
霊魂不死
(
れいこんふし
)
を
信
(
しん
)
じているのを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
し
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
山と海と
迫
(
せま
)
ったところに細長く
展
(
ひろ
)
がった神戸の町を私はふたたび見た。二三日前に私はここに旧友をたずねて互いに健康を祝しあいながら町を歩いたのであった。
蒼白い月
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
私
(
わたくし
)
はびっくりして
早速
(
さっそく
)
鎌倉
(
かまくら
)
の、あの
懐
(
なつ
)
かしい
実家
(
さと
)
へと
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
きましたが、モーその
時
(
とき
)
はよくよく
臨終
(
りんじゅう
)
が
迫
(
せま
)
って
居
(
お
)
りまして、
母
(
はは
)
の
霊魂
(
たましい
)
はその
肉体
(
にくたい
)
から
半分
(
はんぶん
)
出
(
で
)
たり
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
これは人間の生きものである。自分が
責任
(
せきにん
)
をもって、人類の実際の
単位
(
たんい
)
にしあげて行かねばならぬとの覚悟が、その柔かい日影の中から
湧
(
わ
)
き出して
迫
(
せま
)
りくるようだ。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
然
(
しか
)
るに
脱走
(
だっそう
)
の兵、常に利あらずして
勢
(
いきおい
)
漸
(
ようや
)
く
迫
(
せま
)
り、また
如何
(
いかん
)
ともすべからざるに至りて、
総督
(
そうとく
)
を始め一部分の人々は
最早
(
もはや
)
これまでなりと
覚悟
(
かくご
)
を改めて敵の軍門に
降
(
くだ
)
り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その峠も、いまは何物をも燃やさずにはおかないような夏の光線を全身に浴びながら、何んだか
炎
(
ほのお
)
のようにゆらめいているような感じで、私たちに
迫
(
せま
)
っていた。……
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
するりと
抜
(
ぬ
)
けるようにして、
竹
(
たけ
)
五
郎
(
ろう
)
が
行
(
い
)
ってしまうと、はやくも
鬼
(
おに
)
七は、千
吉
(
きち
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まえ
)
に
迫
(
せま
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今
(
いま
)
に
此
(
こ
)
の
筆法
(
ひつはふ
)
を
以
(
もつ
)
て
日本國内
(
にほんこくない
)
の
政治
(
せいぢ
)
を
改造
(
かいざう
)
せよと
迫
(
せま
)
るものがあつたら、
君
(
きみ
)
は一
體
(
たい
)
どうする
積
(
つも
)
りだね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
じつと目を閉ぢようと為たが、目を閉ぢると、此の広い荒れ果てた
寺
(
てら
)
に唯つた独り自分の
居
(
ゐ
)
ると云ふ事が、野の
中
(
なか
)
で
捨児
(
すてご
)
にでも成つた様に、犇々と身に
迫
(
せま
)
つて
寂
(
さび
)
しい。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
夫
(
をつと
)
は
簑笠
(
みのかさ
)
を吹とられ、
妻
(
つま
)
は
帽子
(
ばうし
)
を
吹
(
ふき
)
ちぎられ、
髪
(
かみ
)
も吹みだされ、
咄嗟
(
あはや
)
といふ
間
(
ま
)
に
眼口
(
めくち
)
襟袖
(
えりそで
)
はさら也、
裾
(
すそ
)
へも雪を吹いれ、
全身
(
ぜんしん
)
凍
(
こゞえ
)
呼吸
(
こきう
)
迫
(
せま
)
り
半身
(
はんしん
)
は
已
(
すで
)
に雪に
埋
(
う
)
められしが
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こう思うと、例のセンチメンタルな感情が
激
(
はげ
)
しく胸に
迫
(
せま
)
ってきて、涙がおのずと押すように出る。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
西瓜
(
すいか
)
の切り方など要領を柳吉は知らないから、経験のある種吉に教わる必要に
迫
(
せま
)
られて、こんどは柳吉の口から「一つお父つぁんに頼もうやないか」と言い出していた。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
それによつて、その
以下
(
いか
)
の
思
(
おも
)
ひやるだに
悲
(
かな
)
しきものをといふような、むしろありふれた
言葉
(
ことば
)
まで、いき/\と
人
(
ひと
)
の
胸
(
むね
)
に、なんだか
堪
(
たま
)
らないように
迫
(
せま
)
つて
來
(
く
)
るのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
鐵車
(
てつしや
)
が、いよ/\
永久紀念塔
(
えいきゆうきねんたふ
)
を
深山
(
しんざん
)
の
頂
(
いたゞき
)
に
建
(
た
)
てんが
爲
(
た
)
めに、
此處
(
こゝ
)
を
出發
(
しゆつぱつ
)
するのは
明朝
(
めうてう
)
午前
(
ごぜん
)
六時
(
ろくじ
)
と
定
(
さだま
)
つたが、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
運轉式
(
うんてんしき
)
も
間近
(
まぢか
)
に
迫
(
せま
)
つて
居
(
を
)
るので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
だんだん
迫
(
せま
)
って来てついには私の座って居るのを後ろから
襟
(
えり
)
をひっ
掴
(
つか
)
んでずっと上に引上げた。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
遠
(
とほ
)
くアムールの
岸
(
きし
)
を
噛
(
か
)
む
波
(
なみ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは、
興安嶺
(
こうあんれい
)
を
越
(
こ
)
え、
松花江
(
しようくわかう
)
を
渡
(
わた
)
り、
哈爾賓
(
はるびん
)
の
寺院
(
じゐん
)
を
揺
(
ゆ
)
すり、
間島
(
かんたう
)
の
村々
(
むら/\
)
に
伝
(
つた
)
はり、あまねく
遼寧
(
れいねい
)
の
公司
(
こんす
)
を
揺
(
ゆ
)
るがし、
日本駐屯軍
(
にほんちうとんぐん
)
の
陣営
(
ぢんえい
)
に
迫
(
せま
)
る
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
……あなたには危険が
迫
(
せま
)
っている。……僕達に信頼して、僕達の云う通りになさって下さい。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
遂
(
つひ
)
に
失望
(
しつばう
)
落膽
(
らくたん
)
し、
今更
(
いまさ
)
ら
世間
(
せけん
)
へも
面目
(
めんもく
)
なく、
果
(
はて
)
は
思
(
おも
)
ひ
迫
(
せま
)
つて
大
(
おほ
)
いに
決心
(
けつしん
)
して
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
斯
(
かゝ
)
る次第ゆえ、此の始末を娘が
聞知
(
きゝし
)
る時は、
憂
(
うれい
)
に
迫
(
せま
)
り
病
(
やまい
)
重
(
おも
)
って
相果
(
あいは
)
てるか、
願
(
ねがい
)
の成らぬに力を落し、自害をいたすも知れざるゆえ、
何卒
(
どうぞ
)
此の事ばかりは娘へ
内聞
(
ないぶん
)
にして下さらば
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは
宗教
(
しうけう
)
の
病院
(
びやうゐん
)
になんか、あなたをお
入
(
い
)
れしたくなかつたんですけれど、
差
(
さ
)
し
迫
(
せま
)
つた
事
(
こと
)
ではあるし、
經濟的
(
けいざいてき
)
にどうにもならなかつたもんですからね、
全
(
まつた
)
く
仕方
(
しかた
)
のないことでした。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
それが
濟
(
す
)
むと、
皆
(
みん
)
な
復
(
ま
)
た
輪
(
わ
)
になつて
坐
(
すわ
)
り、もツと
何
(
なに
)
か
話
(
はな
)
してくれと
鼠
(
ねずみ
)
に
迫
(
せま
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
無論これは、例の怪物の、
悠々
(
ゆうゆう
)
迫
(
せま
)
らぬ、からかい顔の逃走トリックであった。
流石
(
さすが
)
の明智もそこまで手早い用意が出来ていようとは知らず、思いもかけぬ失策を演じてしまったのだ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
意志さえ
堅固
(
けんご
)
なれば、
賢愚
(
けんぐ
)
を問わず、百難前に
迫
(
せま
)
っても、これを
冒
(
おか
)
して断行する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
政府もし英国の要求を
聞入
(
ききい
)
れざるにおいては仏国は英と同盟して
直
(
ただち
)
に
開戦
(
かいせん
)
に
及
(
およ
)
ぶべしと
迫
(
せま
)
りたるがごとき、
孰
(
いずれ
)
も公使一個の
考
(
かんがえ
)
にして決して本国政府の
命令
(
めいれい
)
に出でたるものと見るべからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
况
(
いは
)
んや明日よりは
全
(
まつた
)
く人跡
到
(
いた
)
らざるの地を
探
(
さぐ
)
るに於てをや、
嗚呼
(
ああ
)
予等一行
果
(
はた
)
して何れの時かよく此目的を
達
(
たつ
)
するを得べき、想ふて前途の
事
(
こと
)
に
到
(
いた
)
れば
感慨
(
かんがい
)
胸に
迫
(
せま
)
り、
殆
(
ほと
)
んど
睡
(
いぬ
)
る能はざらしむ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
“迫”の解説
迫・迫り(せり)とは、舞台の床の一部をくりぬき、そこに昇降装置を施した舞台機構。役者や大道具を奈落から舞台上に押し上げたり(迫り上げ)、逆に奈落に引き下ろしたり(迫り下げ)することにより、意表をついた演出や迅速な舞台転換を可能とする。
(出典:Wikipedia)
迫
常用漢字
中学
部首:⾡
8画
“迫”を含む語句
脅迫
圧迫
迫害
切迫
窮迫
壓迫
迫持
急迫
迫込
追迫
押迫
逼迫
脅迫状
差迫
切迫詰
威迫
強迫
迫上
恐迫
大迫
...