“せばま”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
窄	42.9%
蹙	28.6%
挟	14.3%
狭	14.3%

窄

末野を過ぐる頃より平地ようやく窄（せばま）り、左右の山々近く道に逼（せま）らんとす。やがて矢那瀬というに至れば、はや秩父の郡なり。川中にいと大なる岩の色丹（あか）く見ゆるがあり。中凹みていささか水を湛（たた）う。

知々夫紀行 (新字新仮名) ／ 幸田露伴(著)

蹙

おおよそ『古今集』もしくは『唐詩選』の世界はこれらの発明のために横領せられ、実際的の境界いよいよ進んで想像の帝国いよいよ蹙（せばま）り、事務の勢力日に長じて詩人の勢力日に減ず。

将来の日本：04 将来の日本 (新字新仮名) ／ 徳富蘇峰(著)

挟

いろいろな商店や通行人や電燈や縁日商人などのなかを、一歩ずつ黒ずんだ姿を運んでくるのが、その町の家並がだんだん背後に遠く挟（せばま）ってゆくのと一しょに写し出していた。

香爐を盗む (新字新仮名) ／ 室生犀星(著)

狭

葦も池の輪郭（りんかく）が狭（せばま）って池の水が小さな流れになる、上に井の頭線の鉄橋が架（か）かっている辺に、わずかに見られるばかりである。

犬の生活 (新字新仮名) ／ 小山清(著)