“抱〆”の読み方と例文
読み方割合
だきしめ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丑松は仙太を背後うしろから抱〆だきしめて、誰が見ようと笑はうと其様そんなことに頓着なく、自然おのづ外部そとに表れる深い哀憐あはれみ情緒こゝろを寄せたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しっかり抱〆だきしめて下すったことの嬉しさは、忘れられないで、よく夢に見い見いしました。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
御子様がないのですから、奥様もも懐しそうに抱〆だきしめて、白い頬をその柔い毛に摺付すりつけて、美しい夢でも眼の前を通るような溶々とけどけとした目付をなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)