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抱〆
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だきしめ
ふりがな文庫
“
抱〆
(
だきしめ
)” の例文
丑松は仙太を
背後
(
うしろ
)
から
抱〆
(
だきしめ
)
て、誰が見ようと笑はうと
其様
(
そん
)
なことに頓着なく、
自然
(
おのづ
)
と
外部
(
そと
)
に表れる深い
哀憐
(
あはれみ
)
の
情緒
(
こゝろ
)
を寄せたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しっかり
抱〆
(
だきしめ
)
て下すったことの嬉しさは、忘れられないで、よく夢に見い見いしました。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
御子様がないのですから、奥様も
恰
(
さ
)
も懐しそうに
抱〆
(
だきしめ
)
て、白い頬をその柔い毛に
摺付
(
すりつけ
)
て、美しい夢でも眼の前を通るような
溶々
(
とけどけ
)
とした目付をなさいました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何かいおうとして言い
兼
(
かね
)
るように、出そうと思う言葉は一々長い
歎息
(
ためいき
)
になって、心に
畳
(
たた
)
まってる思いの数々が胸に波を打たせて、僕をジット
抱〆
(
だきしめ
)
ようとして、モウそれも
叶
(
かな
)
わぬほどに弱ったお手は
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
「房ちゃん」とお雪は子供を
抱〆
(
だきしめ
)
るようにして、「父さんに
嫌
(
きら
)
われたから、
彼方
(
あっち
)
へ行きましょう」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
私は表へ飛出して、夢中で雪道をすたすたと歩いて、何の買物をしたかも分らない位。風呂敷包を
抱〆
(
だきしめ
)
て、口惜しいと腹立しいとで震えました。主人を
卑
(
けな
)
すという心は一時に
湧
(
わき
)
上る。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
抱
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
〆
2画
“抱”で始まる語句
抱
抱擁
抱一
抱主
抱妓
抱負
抱合
抱込
抱茗荷
抱懐