“卑湿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひしつ75.0%
ひしゆう25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長門ながとは山陽の西陬せいすう僻在へきざいす、しこうして萩城連山のきたおおい、渤海ぼっかいしょうに当る。その地海にそむき山に面す、卑湿ひしつ隠暗。城の東郊は則ち吾が松下村なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
またかまどひるへび寝床ねどこもぐ水国すいごく卑湿ひしつの地に住まねばならぬとなったら如何であろう。中庸は平凡である。然し平凡には平凡の意味があり強味つよみがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
北の岸は卑湿ひしゆうの地なるまゝいと荒れたれば、自然の趣きありて、初夏の新蘆しんろ栄ゆる頃、晩秋の風の音に力入りて聞ゆる折などは、川面かわもの眺めいとをかしく、花紅葉のほかの好き風情あり。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)