“のこん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
62.5%
37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
椈、楢の闊葉はとくに落ちて、血潮の樣に赤いのこんの楓のみがちらほら眼に付く。
黒岩山を探る (旧字旧仮名) / 沼井鉄太郎(著)
たのむはわか船頭衆せんどうしうとて、さみしくをはなちたまひしが、姿すがたへだたりて、のこん杜若かきつばたもすそしろく、あしのそよぎうすものむねかよふと、ほしかげるまゝに、いけのたゞなかに、はゝびて、わツときぬ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と辻便所より女乞食、はだえの色の真白きに、海松みるのごときあわせまとえば、泥にまみれしのこんの雪。破草人やぶれかがしの笠をかぶりてよぼよぼとつえすがり、呼吸いきづかい苦しげに——見せ懸けたるのみ、実はしからず。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)