“のこり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
56.3%
残余15.6%
12.5%
余水3.1%
残炭3.1%
残部3.1%
残酒3.1%
遺憾3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いずれも勇気凛々りんりん、今日を限りにこの痛快無比の旅行と別るるのがのこり多いようにも思われ、またこのこうおわったという得意の念もあった。
残余のこりの儀式は壮麗なものだったが時々彼方此方で来会者がくすくす笑った。馬鹿な奴だ。教会は笑う処じゃない。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
わたのこり六十兩はおのれものとし是迄に掠取かすめとりし金と合せ見るに今は七百兩餘に成ければ最早もはや長居ながゐは成難しと或日役所やくしよにてわざいさゝかの不調法ぶてうはふを仕出し主人へ申譯立難たちがたしとて書置かきおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
老爺が手桶ておけに汲んで来てくれた水を、竹の柄杓ひしゃくで一口飲んで、余水のこりを敷居越しに往還へ投げ捨てて、柄杓を手桶に差し込んでホッと息をつく。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
残炭のこり下検分したみに廻わった二等機関士のチャプリンひげが、俺の部屋へ転がり込んで来た。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
燐薬の作用はたらきで、一まわりを経ている死人がまるで生きているように新鮮あざやかだったことなぞも、平兵衛はてんから気に留めなかったが、庭の隅を掘って屍の残部のこりを埋めるだけの用心は忘れなかった。
貞之進は冷たくなった猪口ちょく残酒のこりを飲干し、顫えまいと力を入れるほど顫えて、口へは遣らずやっぱり膳へおいたが、その時小歌は考え附いたか、たしかあなたは過日このあいだ鳴鳳楼でと云うと
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
然し余等は無人境のホンの入口まで来たばかり、せめてキトウス山見ゆるあたりまで行かずに此まゝ帰って了うのは、甚遺憾のこり多かった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)