のこん)” の例文
新字:
さしもにひろきネープルスわん眼界がんかいいたらぬくまはなく、おぼろ/\にゆるイスチヤのみさきには廻轉燈明臺くわいてんとうめうだいえつ、かくれつ、てんそびゆるモリスざんいたゞきにはまだのこんゆき眞白ましろなるに
呼ぶスハヤ尤物いうぶつ此中このうちに在るぞと三人鵜の目鷹の目見つけなば其所そこらんとする樣子なり我は元より冷然として先に進み道のかたへのすみれふきたう蒲公英たんぽゝ茅花つばななどこゝのこんの春あるを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
椈、楢の闊葉はとくに落ちて、血潮の樣に赤いのこんの楓のみがちらほら眼に付く。
黒岩山を探る (旧字旧仮名) / 沼井鉄太郎(著)
たのむはわか船頭衆せんどうしうとて、さみしくをはなちたまひしが、姿すがたへだたりて、のこん杜若かきつばたもすそしろく、あしのそよぎうすものむねかよふと、ほしかげるまゝに、いけのたゞなかに、はゝびて、わツときぬ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のこんあつ幾日いくにちぞ、また幾日いくにちぞ。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)