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殘暑
つまみ
出して
障子を
締めた、
殘暑といふものは
惡る
惡う
暑い、
空氣が
通はないから
尚ほ
更らである、
曇つてゐるから
頭痛がする、たまらぬ。
いまぢあ、すこし
慣れやしたがね、
此處へはじめて
南洋から
來たときあ、まだ
殘暑の
頃だつたがそれでも、
毎日々々、ぶるぶる
震えてゐましただよ
「お
話に
成りません。……
彼岸も
近い、
殘暑もドン
詰りと
云ふ
處へ
來て、まあ、
何うしたつて
云ふんでせうな。」