“名残惜”のいろいろな読み方と例文
旧字:名殘惜
読み方割合
なごりお83.3%
なごりおし11.1%
なごりを5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おじいさん、あんまりきゅうじゃないか。名残惜なごりおしいな。しかし、めでたいことで、なによりけっこうだ。無事ぶじらさっしゃい。」
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
玄関も廊下も晴がましい旅籠はたごまで送り返すのを猶予ためらって、ただ一夜——今日また直ぐ逢う——それさえ名残惜なごりおしそうに、元気なひとに似ず、半纏はんてんの袖を、懐手ふところでねながら
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今は銀之助も名残惜なごりをしいやうな気に成つて、着た儘の襯衣シャツとズボン下とを寝衣ねまきがはりに、宿直の蒲団の中へ笑ひ乍ら潜り込んだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)