トップ
>
談
>
はな
ふりがな文庫
“
談
(
はな
)” の例文
がしかしその男がこの時ばかりは「
君
(
きみ
)
実際
恐怖
(
おそろし
)
かったよ」と顔色を変えて私に
談
(
はな
)
したくらいだから、当人は余程凄かったものだろう
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
さあ
坊
(
ぼっ
)
ちゃん。きっとこいつは
談
(
はな
)
します。早く
涙
(
なみだ
)
をおふきなさい。まるで顔中ぐじゃぐじゃだ。そらええああすっかりさっぱりした。
黄いろのトマト
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今
貴下
(
あなた
)
にお
談
(
はな
)
し申すことも、お
検
(
しら
)
べになって将校方にいったことも、全くこれにちがいはないのでこのほかにいうことは知らないです。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すでに肚と肚で語り合っていた後藤基国や小森与三左衛門などもその中には
交
(
ま
)
じっていることなので、
談
(
はな
)
し
合
(
あい
)
は極めて円滑にすすんだ。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女はこれっぱかりも自分の秘密を、またそれについての悔恨を気取られることなしに、
談
(
はな
)
したり笑ったりして来たのであった。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
時々彼女は白い
絹
(
きぬ
)
※子
(
ハンケチ
)
で顔を
拭
(
ふ
)
きながら、世慣れた調子で
談
(
はな
)
したり笑ったりした。どうかするとお牧にでも話しかけると同じように話した。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこでS君は、石井の死亡した事情を
談
(
はな
)
したので、生徒たちは初めて石井の死を知り、天長節に見たのはその陰影であったと云う事を知った。
天長節の式場
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかしそうばかりではなくこの世には、実に不思議なことが
往々
(
おうおう
)
にしてあるものだから、今私がお前
達
(
だち
)
にも
談
(
はな
)
してきかせよう
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
冗談
(
じょうだん
)
を云わずと
真誠
(
ほんと
)
に、これから
前
(
さき
)
をどうするんだか
談
(
はな
)
して安心さしておくれなネエ。茶かされるナア腹が立つよ、ひとが心配しているのに。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
其座の人々四五人に何か
談
(
はな
)
して打ち連れ立ち自分の宅へ
戻
(
もど
)
りしが間もなく入り來りて傳吉殿此人々と立ち合ひにて
悴
(
せがれ
)
の
部屋
(
へや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さあ、いろいろ
談
(
はな
)
せば長いけれど……あれからすぐ船へ乗り込んで横浜を出て、
翌年
(
あくるとし
)
の春から夏へ、主に朝鮮の
周囲
(
いまわり
)
で
膃肭獣
(
おっとせい
)
を
逐
(
お
)
っていたのさ。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「イヤ、世帯持ちはその心がけが肝腎です。」と和泉屋は、叔母とシミジミ何やら、
談
(
はな
)
していたが、この時口を
容
(
い
)
れた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
になって、家人一同が、昨夜の出来事を
談
(
はな
)
して
如何
(
いか
)
にも奇妙だといっていたが、多分
門違
(
かどちがえ
)
でもあったろうくらいにしてその
儘
(
まま
)
に過ぎてしまった。
感応
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
談
(
はな
)
して居ると、突然パラ/\と音がして来たので余は外に出て見ると、日は薄く光り、雲は静に流れ、寂たる深林を越えて
時雨
(
しぐれ
)
が過ぎゆくのであつた。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
作「買物買いに来たのじゃ有りませんが、少し旦那様にお目に懸って、お
談
(
はな
)
し申してえ事が有ってめえりました」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして食物はうまそうであり、又分量豊かでもあった——士官達が私に
談
(
はな
)
したように、ポーランドの軍隊で指定されているよりも、数百カロリー優っておった。
労働者農民の国家とブルジョア地主の国家:ソヴェト同盟の国家体制と日本の国家体制
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
しかし幸か不幸か、まだ自分には、まるで
実見
(
じっけん
)
がないが、色々他人から聴いたのを、少し
談
(
はな
)
してみよう。
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
もし一両日が間に御送金なくばもはやあなたとは
談
(
はな
)
しはしない。例の証文の件を親御の方へ照会して処決して貰うようにするから。左様承知ありたい。草々頓首。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
蘭軒は平生大声で
談
(
はな
)
し、大声で笑つた。俗客の
門
(
かど
)
に来るときは、諸生をして不在と
道
(
い
)
はしめた。諸生が或は躊躇すると、蘭軒は奥より「留守だと道へ」と叫んだ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その顔色が
真蒼
(
まっさお
)
にでもなっていたものか、
相方
(
あいかた
)
も驚きながら、
如何
(
どう
)
したのかと訊ねられたが、その場では別に何も
談
(
はな
)
さず、風邪の気味か何だか少し
寒気
(
さむけ
)
がするといって
一つ枕
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
○去年の春であったか、非無という年の若い真宗坊さんが来て
談
(
はな
)
しているうちに、
話頭
(
わとう
)
はふと宗教の上に落ちて「君に宗教はいらないでしょう」と坊さんが言い出した。
病牀苦語
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
この間さる処へ呼ばれてそこの奥さんと
談
(
はな
)
しをした。するとその人が大の
耶蘇
(
ヤソ
)
信者だからたまらない。
滔々
(
とうとう
)
と神徳を述べ立てた。まことに品の善い、しとやかな御婆さんだ。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
駅長室に連れ込んで
談
(
はな
)
して見たところが、イヤどうも分らないの何のって、工学士と言えば、一通りの教育もありながら、あんまり馬鹿げていて、話にも何にもならないです
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
こっちでも向うでもないんだよ。ちょっと耳をそばへ持って来なさい。小さい声で
談
(
はな
)
すよ。
百喩経
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
西アフリカのアシャンチー人伝うるは、昔上帝
人間
(
にんかん
)
に住み
面
(
まのあた
)
り
談
(
はな
)
したから人々幸福だった。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかし
凡庸
(
ぼんよう
)
の眼をもって視察し、平凡の耳をもって歴史を聴く僕のことであるから、やかましい議論はしばらく
措
(
お
)
いて、いささか個人的の教訓に資すべき事柄を
談
(
はな
)
したいと思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
この夜も六七人の子供が
皆
(
みんな
)
大きな
炉
(
ろ
)
の
周囲
(
まわり
)
に黙って座りながら、鉄鍋の下の赤く燃えている
榾火
(
ほだび
)
を
弄
(
いじ
)
りながら
談
(
はな
)
している
老爺
(
おやじ
)
の
真黒
(
まっくろ
)
な顔を見ながら、
片唾
(
かたず
)
を呑んで聴いているのであった
千ヶ寺詣
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
それからロオラはまた近所の子供に
談
(
はな
)
しかけられるのを何よりも喜んでいます。彼等がわたしの二階の窓の下へ来て何か一言叫ぶと、ロオラはいろんなことを喋り出すのです——そうです。
オカアサン
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「きつとジプシイのことを
談
(
はな
)
し合つてゐらつしやると思ひます。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
乞食は問はず語りに、色々な哀れつぽい身の上話を
談
(
はな
)
し出した。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
帰って主人に昨夜の出来事を
談
(
はな
)
すと、主人のいうには
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
主人はゆっくりいろいろ
談
(
はな
)
す。小十郎はかしこまって山のもようや何か申しあげている。間もなく台所の方からお
膳
(
ぜん
)
できたと知らせる。
なめとこ山の熊
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
今
貴下
(
あなた
)
にお
談
(
はな
)
し申すことも、お
検
(
しら
)
べになつて将校方にいつたことも、全くこれにちがひはないのでこのほかにいふことは知らないです。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一度ならず二度までもあまりといえば不思議なので
翌朝
(
よくあさ
)
彼は
直
(
すぐ
)
に
家主
(
いえぬし
)
の家へ行った、
家主
(
やぬし
)
の
親爺
(
おやじ
)
に会って今日まであった事を一部始終
談
(
はな
)
して
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
藤吉郎はなお、
寧子
(
ねね
)
に向って、於虎の母へ、城内の住居を与え、何かと平常も
談
(
はな
)
し相手になってやるがよいと云い足した。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見て
談
(
はな
)
してたのを聞いてきたんでさ。私どもでも少しばかし預けてあるもんだから、内の人も心配して出かけたんだが……とてももうだめかしら。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
「もう遅いから駄目。それに、僕は友人から晩餐に招ばれているんですがね、お
忙
(
せわ
)
しくなければ、
談
(
はな
)
しながらそこまで送って行って下さいませんか」
フェリシテ
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
「
否
(
ノー
)
と先ず一語を下して置きます。諸君にしてもし僕の不思議なる願というのを聴いてくれるなら
談
(
はな
)
しましょう」
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
酒の
香気
(
におい
)
も座敷に満ちていた。岸本のために
膳部
(
ぜんぶ
)
までが既に用意して置いてあった。元園町は客を相手に、さかんに
談
(
はな
)
したり飲んだりしているところであった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
京子は自分のどんな心境や身辺の
変遷
(
へんせん
)
でも隠すところなく打ち明けて、加奈子のこころをたよって来たのに、加奈子は自分自身の運命や、こころを京子に
談
(
はな
)
した事はなかった。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
自分では
確
(
たしか
)
に気は付いていたようだが、
急
(
あせ
)
れば
急
(
あせ
)
るほど解らなくなって、
殆
(
ほと
)
んど当惑していると、突然先生の声がしたので、初めて安心しました、と息をはずましながら
談
(
はな
)
して
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
これもマア、酒に酔ったこの場だけの坐興で、半分位も
虚言
(
うそ
)
を
交
(
ま
)
ぜて
談
(
はな
)
すことだと思って聞いていてくれ。ハハハハハ。まだ考のさっぱり足りない、年のゆかない時分のことだ。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
両親も大変喜んで
種々
(
いろいろ
)
先方
(
さき
)
の男の様子も探ってみたが大した難もないし、
殊
(
こと
)
に先方からの
強
(
た
)
っての
懇望
(
のぞみ
)
でもあるから、至極良縁と思ってそれを娘に
談
(
はな
)
すと、一度は断ってはみたが
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
その下にある中庭の
直
(
す
)
ぐ
傍
(
わき
)
の、薄暗い廊下を通って、小使部屋の前にくると内で
蕭然
(
しょんぼり
)
と、小使が一人でさも退屈そうに居るから、弟も通りがかりに、「おい淋しいだろう」と
談
(
はな
)
しかけて
死体室
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
晋齋老人は目をつぶッていらっしゃいましたが、あゝ怖しいものは因果だ、この親子は何うして斯うも幸ないであろうと、伊之吉お米が双児でありしことをお
談
(
はな
)
しになってお嘆きあそばす。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
談
(
はな
)
すので、
或
(
ある
)
僧の
談
(
はなし
)
によると、
所謂
(
いわゆる
)
寺の亡者が知らせに来る場合には、必ずその人の生前の性質が現れる、例えば気の荒い人だったらば、
鉦
(
かね
)
の叩き
様
(
よう
)
が
頗
(
すこぶ
)
る荒っぽいそうだし、温和な人ならば
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
空に高く、
幽
(
かす
)
かに聞えてくるのである、夜も
更
(
ふ
)
けて十時過ぎた頃だった、今まで
興
(
きょう
)
に乗じて夢中に
談
(
はな
)
していた
老爺
(
おやじ
)
が、突然誰も訪れた声もせぬのに、一人で返事をしながら、
談
(
はなし
)
半ばに、ついと
起
(
た
)
って
千ヶ寺詣
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
「笑つたり、
談
(
はな
)
したり。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
見分
(
みわけ
)
ざれば
目鼻
(
めはな
)
のある人とは申さずと云ふに武士は大いに笑ひ
夫
(
それ
)
は餘り
譽過
(
ほめすぎ
)
るなりと云つゝ
最早
(
もはや
)
酒も
頓
(
やが
)
て三升ばかり
飮
(
のみ
)
たる故ほろ/\
機嫌
(
きげん
)
になりコレ亭主貴樣は
田舍
(
ゐなか
)
に
似合
(
にあは
)
ず
漢土
(
から
)
の事など
引事
(
ひきごと
)
にして云は
感心々々
(
かんしん/\
)
談
(
はな
)
せる男だイヤ面白し/\と
暫時
(
しばし
)
興
(
きよう
)
にぞ入りたりける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
旅人
(
たびびと
)
たちはしずかに
席
(
せき
)
に
戻
(
もど
)
り、
二人
(
ふたり
)
も
胸
(
むね
)
いっぱいのかなしみに
似
(
に
)
た新しい
気持
(
きも
)
ちを、何気なくちがった
語
(
ことば
)
で、そっと
談
(
はな
)
し合ったのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
談
常用漢字
小3
部首:⾔
15画
“談”を含む語句
談合
戯談
相談
雑談
怪談
冗談
談話
笑談
雜談
串談
戲談
御談
談判
強談
談柄
御相談
怪談噺
直談判
講談
談敵
...