“榾火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほたび74.4%
ほだび25.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昨夜と同じく、榾火ほたびにあたりながら朝食をすます。「よしえ」は母親を急き立てて、黄八丈を出せという。昨日のことを忘れないのだ。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
榾火ほたびに照らされた坊主の顔は骨と皮ばかりになった老人だった。しかし伝吉はその顔のどこかにはっきりと服部平四郎を感じた。
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
太陽はだいぶ西に傾いて、淡い陽脚ひあしを斜めに投げだしていた。緑の新芽は思い思いの希望を抱き、榾火ほだびはとっぷりと白い灰の中に埋もれていた。
緑の芽 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
爐の榾火ほだびの周圍には蠑螺が幾つも灰の中に立てられて、ふたを取つた所へ味噌を載せたままぐつ、ぐつと煮えてゐる香りが、妙に一行の男達の食欲をそそりました。
初島紀行 (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)