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はな
ふりがな文庫
“
放
(
はな
)” の例文
吉坊
(
よしぼう
)
は、
両手
(
りょうて
)
を
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
にのせて、
清
(
きよ
)
ちゃんがあちらへゆけば、その
方
(
ほう
)
を
見送
(
みおく
)
り、こちらへくればまた
目
(
め
)
を
放
(
はな
)
さずに、
迎
(
むか
)
えていました。
父親と自転車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といいながら、
鉢
(
はち
)
をつかんで
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げますと、
下
(
した
)
から
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
が
現
(
あらわ
)
れたので、びっくりして、
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
逃
(
に
)
げていってしまいました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
勘作は
背後
(
うしろ
)
からそっと往って、今にも飛び込もうとしている女をしっかと抱き止めた。女は勘作の手を
揮
(
ふ
)
り
放
(
はな
)
して飛び込もうとする。
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一夜に庭をつくる
放
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
を演じているが、武蔵は二十八で試合をやめて花々しい青春の幕をとじた後でも、一生
碌々
(
ろくろく
)
たる剣術使いで
青春論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「
其
(
その
)
代
(
かは
)
り
小六
(
ころく
)
さん、
憚
(
はゞか
)
り
樣
(
さま
)
。
座敷
(
ざしき
)
の
戸
(
と
)
を
閉
(
た
)
てて、
洋燈
(
ランプ
)
を
點
(
つ
)
けて
頂戴
(
ちやうだい
)
。
今
(
いま
)
私
(
わたし
)
も
清
(
きよ
)
も
手
(
て
)
が
放
(
はな
)
せない
所
(
ところ
)
だから」と
依頼
(
たの
)
んだ。
小六
(
ころく
)
は
簡單
(
かんたん
)
に
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
引掻
(
ひつか
)
きさうな
権幕
(
けんまく
)
をするから、
吃驚
(
びつくり
)
して
飛退
(
とびの
)
かうとすると、
前足
(
まへあし
)
でつかまへた、
放
(
はな
)
さないから
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて
引張
(
ひつぱ
)
り
合
(
あ
)
つた
奮
(
はづ
)
みであつた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼
(
まなこ
)
を
放
(
はな
)
たず
睥睨
(
へいげい
)
して
居
(
を
)
る、
猛狒
(
ゴリラ
)
も
益々
(
ます/\
)
猛
(
たけ
)
く
此方
(
こなた
)
を
窺
(
うかゞ
)
つて
居
(
を
)
る、
此
(
この
)
九死一生
(
きうしいつしやう
)
の
分
(
わか
)
れ
目
(
め
)
、
不意
(
ふい
)
に、
實
(
じつ
)
に
不意
(
ふい
)
に、
何處
(
どこ
)
ともなく
一發
(
いつぱつ
)
の
銃聲
(
じうせい
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
朝霧
(
あさぎり
)
がうすらいでくる。庭の
槐
(
えんじゅ
)
からかすかに日光がもれる。
主人
(
しゅじん
)
は
巻
(
ま
)
きたばこをくゆらしながら、
障子
(
しょうじ
)
をあけ
放
(
はな
)
して庭をながめている。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
つい先日、私の方の皇帝が、狩に出て、空飛ぶ
雁
(
かり
)
を矢を
放
(
はな
)
って射落したら、雁の足に、白い布に墨で書いたものがしばりつけてあった。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
其の内に
夜
(
よ
)
もすっかり明け
放
(
はな
)
れましたから、親切な白翁堂は
藜
(
あかざ
)
の杖をついて、伴藏と一緒にポク/\出懸けて、萩原の内へまいり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
帆村は、とうとう意を決して、警察側と全然
放
(
はな
)
れて、
巷
(
ちまた
)
に単身、蠅男を探し求めて、機をつかめば一騎うちの死闘を交える覚悟をした。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
抱上
(
いだきあ
)
げ今日より後は如何にせん
果報
(
くわはう
)
拙
(
つた
)
なき
乳呑子
(
ちのみご
)
やと聲を
放
(
はな
)
つて
悲
(
かな
)
しむを近所の人々聞知りて
追々
(
おひ/\
)
集
(
あつ
)
まり入來り
悔
(
くや
)
み
言
(
いひ
)
つゝ吉兵衞に力を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そして一目見ると
直
(
すぐ
)
に、
少
(
すこ
)
しあけツ
放
(
はな
)
しの
點
(
てん
)
のある
代
(
かはり
)
には、こせつかぬ、おツとりとした、
古風
(
こふう
)
な
顔立
(
かほだて
)
であることを見て取ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
落
(
おち
)
つけずや
母樣
(
はゝさま
)
には
我
(
わ
)
れ
願
(
ねが
)
はんとて
放
(
はな
)
し
給
(
たま
)
はず
夫樣
(
おくさま
)
も
又
(
また
)
くれ/″\の
仰
(
おほ
)
せに
其
(
その
)
まゝの
御奉公
(
ごほうこう
)
都會
(
みやこ
)
なれぬ
身
(
み
)
とて
何
(
なに
)
ごとも
不束
(
ふつゝか
)
なるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
不遇で長かった皇太子時代には、青年らしい奔放な恋もし、また
鬱
(
うつ
)
を
放
(
はな
)
つためには、後宮の女色漁りも人いちばいな方であった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
英文学に異彩を
放
(
はな
)
つと称せらるるかの有名なるミルトンの『
失楽園
(
パラダイスロスト
)
』の主人公は、神を相手に
謀叛
(
むほん
)
の
旗
(
はた
)
を
翻
(
ひるがえ
)
した悪魔の雄将サタンである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
おこのが
払
(
はら
)
った
手
(
て
)
のはずみが、ふと
肩
(
かた
)
から
滑
(
すべ
)
ったのであろう。
袂
(
たもと
)
を
放
(
はな
)
したその
途端
(
とたん
)
に、
新
(
しん
)
七はいやという
程
(
ほど
)
、おこのに
頬
(
ほほ
)
を
打
(
う
)
たれていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「そりや、はあ、さうだが」
只
(
たゞ
)
此
(
これ
)
だけいつて
寡言
(
むくち
)
な
卯平
(
うへい
)
は
自分
(
じぶん
)
の
意
(
い
)
を
得
(
え
)
たといふ
樣
(
やう
)
に
始終
(
しじう
)
窪
(
くぼ
)
んだ
目
(
め
)
を
蹙
(
しが
)
めて
手
(
て
)
からは
煙管
(
きせる
)
を
放
(
はな
)
さなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
春になると、北上の
河谷
(
かこく
)
のあちこちから、
沢山
(
たくさん
)
の馬が
連
(
つ
)
れて来られて、
此
(
こ
)
の部落の人たちに
預
(
あず
)
けられます。そして、上の野原に
放
(
はな
)
されます。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一男は、縦横に組み上げられた鉄材の間から、遠く澄んだ空へ眼を
放
(
はな
)
った。
上総
(
かずさ
)
房州
(
ぼうしゅう
)
の
山波
(
やまなみ
)
がくっきりと、
彫
(
きざ
)
んだような
輪廓
(
りんかく
)
を見せている。
秋空晴れて
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
暁方
(
あけがた
)
まで読んだところが、あしたの事業に
妨
(
さまた
)
げがあるというので、その本をば机の上に
抛
(
ほう
)
り
放
(
はな
)
しにして
床
(
とこ
)
について自分は寝入ってしまった。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
これも
或
(
あ
)
る長者が家の奉公人、山へ馬を
放
(
はな
)
しに行き、家に帰らんとするに一匹不足せり。夜通しこれを求めあるきしがついにこの鳥となる。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
黄金丸が
睨
(
ね
)
め
付
(
つけ
)
し、
眼
(
まなこ
)
の光に恐れけん、その矢も
得
(
え
)
放
(
はな
)
たで、
慌
(
あわただ
)
しく枝に走り昇り、
梢
(
こずえ
)
伝ひに
木隠
(
こがく
)
れて、忽ち姿は見えずなりぬ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「え、何んだって、信玄の首? 冗談じゃあねえ、何を云うんだ。そんな
放
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
が出来るものか。それにそんな怨みもねえ」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
たとえば
野獣
(
やじゅう
)
も
盗賊
(
とうぞく
)
もない国で、安心して
野天
(
のてん
)
や明け
放
(
はな
)
しの家で
寝
(
ね
)
ると、
風邪
(
かぜ
)
を引いて
腹
(
はら
)
をこわすかもしれない。○を
押
(
お
)
さえると△があばれだす。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
岩飛びをする里人は、平生この辺で
釣
(
つ
)
りをしたり、耕したりしていて、たまたま旅人の通る者があれば、
早速
(
さっそく
)
勧誘して得意の
放
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
を演じて見せる。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
よく、仲間の一人が、片っ方の
頬
(
ほっ
)
ぺたを指の先で押さえ、急にそれを
放
(
はな
)
すと、そこへ白い跡が残り、やがて、そいつが、見事な赤い色でおおわれる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
気違いか? イヤイヤ気違いにこんな秩序ある
放
(
はな
)
れ
業
(
わざ
)
が演じられるものではない。
彼奴
(
あいつ
)
は正気なのだ。正気でこのべら棒ないたずらをやっているのだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
寺の本堂は
明
(
あ
)
け
放
(
はな
)
されて、
如来様
(
にょらいさま
)
の前に供えられた
裸蝋燭
(
はだかろうそく
)
の夜風にチラチラするのが遠くから見えた。やがて棺はかつき上げられて、
読経
(
どきょう
)
が始まった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
その室の特長として映るものは自分の家とは
全
(
まる
)
でかけ
放
(
はな
)
れた明るさをもち、新しさをもち、その上掛軸や
活花
(
いけばな
)
が整然として飾られているように思われた。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そして、駅を出ると、まるで火でも
放
(
はな
)
ったようなはりつめた顔をして、すぐ駅前の、交番の前へ立ったのである。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
一首の意は、勾の池に
放
(
はな
)
ち
飼
(
がい
)
にしていた
禽鳥
(
きんちょう
)
等は、皇子尊のいまさぬ後でも、なお人なつかしく、水上に浮いていて水に
潜
(
くぐ
)
ることはないというのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そしてお
互
(
たが
)
いに長い
剣
(
つるぎ
)
をずらりと
抜
(
ぬ
)
き
放
(
はな
)
して、それを海の上にあおむけに
突
(
つ
)
き立てて、そのきっさきの上にあぐらをかきながら、
大国主神
(
おおくにぬしのかみ
)
に談判をしました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
そうして、「このリスたちをハシバミのやぶへつれていって、
放
(
はな
)
してやってください。」と、言いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
開
(
あ
)
け
放
(
はな
)
った
障子
(
しょうじ
)
の
隙間
(
すきま
)
からはお
庭
(
にわ
)
もよく
見
(
み
)
えましたが、それが
又
(
また
)
手数
(
てかず
)
の
込
(
こ
)
んだ
大
(
たい
)
そう
立派
(
りっぱ
)
な
庭園
(
ていえん
)
で、
樹草
(
じゅそう
)
泉石
(
せんせき
)
のえも
言
(
い
)
われぬ
配合
(
はいごう
)
は、とても
筆紙
(
ひっし
)
につくせませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
定紋
(
じょうもん
)
は
放
(
はな
)
れ
駒
(
ごま
)
、
博多
(
はかた
)
の帯を締めて、
朱微塵
(
しゅみじん
)
、
海老鞘
(
えびざや
)
の刀
脇差
(
わきざし
)
をさし、
羽織
(
はおり
)
はつけず、
脚絆草鞋
(
きゃはんわらじ
)
もつけず、この険しい道を、素足に下駄穿きでサッサッと登りつめて
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
永年
(
ながねん
)
さがしてきたほんもののお高に会ってことばまでかわしながら、頭から別人と思いこんで、そのまま
放
(
はな
)
してやって、いまだに、預かっている財産を渡すために
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「オイ、三公、
義公
(
よしこう
)
」と呼んだら、二人は変装している自分を、知ってか知らずにか、振り返って近づいて来た、と、二人は「宮本利平だ!」と、冷たく云い
放
(
はな
)
って
眼
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
(七八)
夏桀
(
かけつ
)
の
居
(
きよ
)
は
(七九)
河濟
(
かせい
)
を
左
(
ひだり
)
にし、
(八〇)
泰華
(
たいくわ
)
を
右
(
みぎ
)
にし、
(八一)
伊闕
(
いけつ
)
其南
(
そのみなみ
)
に
在
(
あ
)
り、
(八二)
羊腸
(
やうちやう
)
其北
(
そのきた
)
に
在
(
あ
)
りしが、
政
(
まつりごと
)
を
修
(
をさ
)
むること
仁
(
じん
)
ならず、
湯
(
たう
)
、
之
(
これ
)
を
放
(
はな
)
てり。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
僕はひとりで金堂の石段にあがって、しばらくその
吹
(
ふ
)
き
放
(
はな
)
しの円柱のかげを歩きまわっていた。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
動
(
うご
)
きもせぬ
大食
(
おおぐ
)
いな、
不汚
(
ふけつ
)
極
(
きわま
)
る
動物
(
どうぶつ
)
で、
始終
(
しじゅう
)
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
くような、
胸
(
むね
)
の
悪
(
わる
)
くなる
臭気
(
しゅうき
)
を
放
(
はな
)
っている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
両人
炬
(
たいまつ
)
をふりてらしてこゝかしこをみるに光るものさらになく、また
怪
(
あや
)
しむべきをみず、さては人のいふは
空言
(
そらごと
)
ならん、いざとて
皈
(
かへ
)
らんとしけるに、水上
俄
(
にはか
)
に
光明
(
くわうみやう
)
を
放
(
はな
)
つ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
腰をひねって抜き
放
(
はな
)
……いや待て、えい、もうひと息——八百助は気の毒そうにきいた。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
俊寛 (驚きのためまっさおになる。何か言いかけてくちびるをひきつける。やがてつくづく有王を見る)有王だ! (有王に
抱
(
だ
)
きつく。やがて反射的に有王を
放
(
はな
)
し顔をおおう)
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
愉快な心持ちと言ったのは、わたしが彼女の生活から
放
(
はな
)
れてしまっているからである。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
私の作品の中には自分の惑乱と弱点とが多くはいっていますので、時としますと、それらの悪魔の群れを世に
放
(
はな
)
って悪い行ないをしてるように、我ながら思われることがあります。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
女
(
をんな
)
は
少
(
すこ
)
し
冷
(
ひや
)
やかにいひ
放
(
はな
)
つと、
蒼
(
あを
)
ざめて
俯向
(
うつむ
)
いた。
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に、
暫
(
しばら
)
く
沈默
(
ちんもく
)
が
續
(
つゞ
)
いた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
やがて、早くも夜が明け
放
(
はな
)
れて、村の人達は
沼狩
(
ぬまが
)
りを始めました。しかしもう正覚坊がいなくなった後のことです。いくら狩り立てても取れません。一同は諦めて帰って行きました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
馬鹿め、やかましいは、拳殺すぞ。あんまり分らねへ、親分。馬鹿め、それ打つぞ。親分。馬鹿め。放して。馬鹿め。親分。馬鹿め。放して。馬鹿め。親。馬鹿め。
放
(
はな
)
。馬鹿め。お。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
私
(
わたくし
)
にも
説明
(
せつめい
)
のしやうがないんです。
聞
(
き
)
くところでは、
宿
(
やど
)
でも
問題
(
もんだい
)
になつてゐるらしいんです。この
頃
(
ころ
)
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
れば、きつと
連
(
つ
)
れてあるいてゐますが、
宿
(
やど
)
でも
少
(
すこ
)
しも
目
(
め
)
を
放
(
はな
)
さないやうです。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
放
常用漢字
小3
部首:⽁
8画
“放”を含む語句
放擲
放下
追放
放棄
放蕩
放縦
突放
解放
放心
放浪者
遣放
放火
開放
放肆
放免
奔放
放任
放埒
手放
出放題
...