“朝霧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あさぎり91.7%
てうむ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
朝霧あさぎりがうすらいでくる。庭のえんじゅからかすかに日光がもれる。主人しゅじんきたばこをくゆらしながら、障子しょうじをあけはなして庭をながめている。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
五月六日の朝、ガンのむれが朝霧あさぎりをついて、メラールの上を飛んでいくと、湖の上に高いとうや、長いまどガラスのある家々が見えてきました。
朝霧てうむ深し。郊辺小沢といふ所茶店ちやてん(泉屋善助)のかたはら小樹籬せうじゆりを囲て石作士幹いしづくりしかんの墓あり。墓表隷字にて駒石石くせきせき先生之墓と題す。碑文紀平洲撰せり。一里半福島駅にいたる。関庁荘厳なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
朝霧てうむいまだはれず。水車の処に舟をよせて観たり。行々ゆき/\て右淀の大橋を見、左に桂川の落口を見て宮の渡の辺に到て、きりはれ日光あきらかに八幡の山平瀉ひらかたの民家一覧に入て画がけるがごとし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)