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朝霧
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あさぎり
ふりがな文庫
“
朝霧
(
あさぎり
)” の例文
朝霧
(
あさぎり
)
がうすらいでくる。庭の
槐
(
えんじゅ
)
からかすかに日光がもれる。
主人
(
しゅじん
)
は
巻
(
ま
)
きたばこをくゆらしながら、
障子
(
しょうじ
)
をあけ
放
(
はな
)
して庭をながめている。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
五月六日の朝、ガンのむれが
朝霧
(
あさぎり
)
をついて、メラール
湖
(
こ
)
の上を飛んでいくと、湖の上に高い
塔
(
とう
)
や、長い
窓
(
まど
)
ガラスのある家々が見えてきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
自分の上に降りかゝつた、二度目の恐ろしい疑ひが、また平次の明察で
朝霧
(
あさぎり
)
のやうに吹き拂はれてしまつたのです。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ことに朝はやく起きて海岸を散歩したり、しめっぽい
朝霧
(
あさぎり
)
のこめた田や畑の間を散歩したりなんかするときの
爽快
(
そうかい
)
さは、何とも言いようのない喜びであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
扨
(
さて
)
今朝
(
こんちょう
)
、此の辺からは煙も見えず、音も聞えぬ、新
停車場
(
ステエション
)
で
唯
(
ただ
)
一
人
(
にん
)
下
(
お
)
り立つて、
朝霧
(
あさぎり
)
の
濃
(
こま
)
やかな
野中
(
のなか
)
を
歩
(
ほ
)
して、雨になつた
午
(
ご
)
の
時
(
とき
)
過ぎ、
媼
(
おうな
)
の
住居
(
すまい
)
に
駈
(
か
)
け込んだまで
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
早朝関翁以下
駅逓
(
えきてい
)
の人々に別を告げる。斗満橋を渡って、見かえると、谷を
罩
(
こ
)
むる
碧
(
あお
)
い
朝霧
(
あさぎり
)
の中に、関翁は此方に向い、
杖
(
つえ
)
の
頭
(
かしら
)
に両手を
組
(
く
)
んで其上に
額
(
ひたい
)
を
押付
(
おしつ
)
けて居られた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
十八日、
朝霧
(
あさぎり
)
いと深し。未明
狐禅寺
(
こぜんじ
)
に到り、岩手丸にて
北上
(
きたかみ
)
を下る。両岸景色おもしろし。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
春雨
(
はるさめ
)
にかすむとか、
朝霧
(
あさぎり
)
の中から舟が出てくるなどという風景は、この世界には見えない
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『
島
(
しま
)
がツ。』と
私
(
わたくし
)
も
蹴鞠
(
けまり
)
のやうに
跳起
(
はねお
)
きて
見
(
み
)
ると、
此時
(
このとき
)
天
(
てん
)
全
(
まつた
)
く
明
(
あ
)
けて、
朝霧
(
あさぎり
)
霽
(
は
)
れたる
海
(
うみ
)
の
面
(
おも
)
、
吾
(
わ
)
が
端艇
(
たんてい
)
を
去
(
さ
)
る
事
(
こと
)
三海里
(
さんかいり
)
ばかりの、
南方
(
なんぽう
)
に
當
(
あた
)
つて、
椰子
(
やし
)
、
橄欖
(
かんらん
)
の
葉
(
は
)
は
青〻
(
あほ/\
)
と
茂
(
しげ
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
六月の十四日に、鳥羽港を発した船団は、十六日のまだ
朝霧
(
あさぎり
)
のふかいうちに、
蟹江
(
かにえ
)
の沖に影を見せ、一益は、軽舟に兵をわかって、すぐ上陸し、兵七百をひきいて、難なく、蟹江城へ入ってしまった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その時は雪さんの姿は濃い
朝霧
(
あさぎり
)
に包まれて
朦朧
(
もうろう
)
としか見えなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
三人
(
みたり
)
は
家
(
いへ
)
を
出
(
い
)
で、
朝霧
(
あさぎり
)
深
(
ふか
)
き
海岸
(
かいがん
)
を
北
(
きた
)
へと
進
(
すゝ
)
んだ。
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
猛犬
(
まうけん
)
の
稻妻
(
いなづま
)
を
從
(
したが
)
へて、
常
(
つね
)
に
十歩
(
じつぽ
)
ばかり
前
(
さき
)
へ
進
(
すゝ
)
むので、
私
(
わたくし
)
と
大佐
(
たいさ
)
とは
相
(
あひ
)
並
(
なら
)
んで
歩
(
あゆ
)
んだが、
一言
(
いちごん
)
も
無
(
な
)
い。あゝ、
其
(
その
)
秘密
(
ひみつ
)
なる
發明
(
はつめい
)
とは
何
(
なん
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
平次は
朝霧
(
あさぎり
)
を分けるやうに、サツと足を早めます。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此時
(
このとき
)
、
朝霧
(
あさぎり
)
霽
(
は
)
るゝ
海岸
(
かいがん
)
の
景色
(
けしき
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
“朝”で始まる語句
朝
朝夕
朝飯
朝臣
朝餉
朝日
朝食
朝陽
朝靄
朝鮮