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三海里
『
島がツ。』と
私も
蹴鞠のやうに
跳起きて
見ると、
此時天全く
明けて、
朝霧霽れたる
海の
面、
吾が
端艇を
去る
事三海里ばかりの、
南方に
當つて、
椰子、
橄欖の
葉は
青〻と
茂つて
艦中の
一同はヒタと
鳴を
靜めたのである。
只見る
本艦を
去る
事三海里餘、
橄欖島と
覺しき
島の
北方に
當つて、
毒龍蟠るが
如き
二個の
島嶼がある。
其島陰から
忽然として
一點の
光がピカリツ。