はな)” の例文
旧字:
「お、琵琶の音がする。……加古川の法師は? ……」輦のうちで眼をふさぎながら、範宴は、玉日姫たまひひめのすがたを、おぼろ夜の白いはなを思いうかべていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「根岸にはお大名の別荘しもやしきが沢山あるけれど、加賀様のお姫さまがたは揃ってお美しかった。お前さん、はなの咲くころに、お三方さんかたもお四方よかたも揃っておいでになると、まるで田舎源氏の挿絵のようさね。」