“涕汁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はな66.7%
はなみず33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かねは其きり涕汁はなも引かけない。處へ松公は段々お大が鼻について、始終氣のない素振を見せる。お大のすさみ出した感情はますますさむばかりだ。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
鼻汁はなをたらしていると、東京へ行って笑われるで、綺麗きれいに行儀をよくしているだぞ。」と、父親はお庄の涕汁はななぞをんでやった。気の荒い父親も旅へ出てからの妻や子に対する心持は優しかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
髪を引っ詰めのお煙草盆たばこぼんに結い、涕汁はなみずを垂らしながら、竹馬にも乗って歩いた。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)