“涕泣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ていきゅう56.3%
すすりな12.5%
すすりなき12.5%
ていきふ6.3%
ていきう6.3%
なんだ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
許嫁の妹の涕泣ていきゅうに発声法上の欠陥のある事に気づいて、その涕泣に迫力を添えるには適度の訓練を必要とするのではなかろうか。
女の決闘 (新字新仮名) / 太宰治(著)
追憶で感傷的になった合爾合カルカ姫の涕泣すすりなきが高まる。成吉思汗ジンギスカンは何も耳に入らないように、一心に読みつづける。長い長い間。
彼が法廷に立つてこの状況を語つたとき、被告席から涕泣すすりなきの声がした。感極つて泣き落したのであらう。神聖にして厳粛なる法廷の空気は動いた。誰だ。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
蘭人、(涕泣ていきふしつつ)はい、もう仕方はございません。
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
泣いてもその泣くのがすぐ拭はれて晴々しくなつて行く涕泣ていきうである。笑つてもくつぐつたい笑ひである、私は曾て『近松は女に持てた男、西鶴は持てなかつた男』
西鶴小論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
表に臨みて、涕泣なんだおち、云うところを知らず。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)