薄暗き硝子戸棚の中。絵画、陶器、唐皮、更緲、牙彫、鋳金等種々の異国関係史料、処狭きまでに置き並べたるを見る。初夏の午後。遙にちやるめらの音聞ゆ。 久しき沈黙の後、司馬江漢筆の蘭人、突然悲しげに歎息す。 古伊万里の茶碗に描かれたる甲比丹、(蘭 …
著者 | 芥川竜之介 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 戯曲 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「サンデー毎日」1922(大正11)年6月 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約6分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約9分(300文字/分) |