涕泣すすりなき)” の例文
彼が法廷に立つてこの状況を語つたとき、被告席から涕泣すすりなきの声がした。感極つて泣き落したのであらう。神聖にして厳粛なる法廷の空気は動いた。誰だ。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
何のうらみでこのようなムゴイ事をしたかと(涕泣すすりなき)タッタ一言でよろしう御座いますからキットお尋ね下さいませ(涕泣)……一郎が正気でおりますうちにその人間の事を
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一郎はこれから私の子供分に致しまして、私の力一パイ立派な人間に育て上げて行きたいと存じますが……父無子ててなしご位牌子いはいごをたよりに、暮すことを思いますと……(涕泣すすりなき)。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)