トップ
>
涕泣
>
ていきゅう
ふりがな文庫
“
涕泣
(
ていきゅう
)” の例文
許嫁の妹の
涕泣
(
ていきゅう
)
に発声法上の欠陥のある事に気づいて、その涕泣に迫力を添えるには適度の訓練を必要とするのではなかろうか。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼は自分の結論に痛々しく感激して劇しく胸をかきむしつてゐたが、突然身をひるがへして演壇を落下すると、ハラ/\と
涕泣
(
ていきゅう
)
して椅子に崩れた。
村のひと騒ぎ
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
麾下
(
きか
)
数万の軍勢を見渡しながら、百年後にはこの中の一人も生残っていないであろうことを考えて
涕泣
(
ていきゅう
)
したというペルシャの王様のように、この少年は、今や
狼疾記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
彼は
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
に倒れかかり、両手で顔をおおうた。声は聞こえなかったが、肩の震えを見れば、泣いてるのが明らかだった。沈黙の
涕泣
(
ていきゅう
)
、痛烈な涕泣だった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
東大寺の大仏修理をした宋人
陳和卿
(
ちんなけい
)
が来た。実朝に謁して前生は宋の
育王山
(
いくおうざん
)
の長老だといって
涕泣
(
ていきゅう
)
した。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
▼ もっと見る
その葬式に臨んで、
不図
(
ふと
)
師は
涕泣
(
ていきゅう
)
した。傍人はこれを怪しんで、「世捨人にも亦これあるか」と云う。
釈宗演師を語る
(新字新仮名)
/
鈴木大拙
(著)
何故? いままでも左膳はよく深夜に刀の泣き声らしいものをきいたことがあるが、それはいつもきまって若い女のすすりなきだったけれど、今夜のはたしかに老婆の
涕泣
(
ていきゅう
)
だからだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
講師の寂照が如法に文を
誦
(
じゅ
)
し経を読む頃には、感動に堪えかねて
涕泣
(
ていきゅう
)
せざる者無く、此日出家する者も甚だ多く、婦女に至っては車より髪を切って講師に与うる者も出来たということである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
而
(
しか
)
も
其
(
その
)
才を
憐
(
あわれ
)
みて獄に
繋
(
つな
)
ぎ、
諷
(
ふう
)
するに
管仲
(
かんちゅう
)
・
魏徴
(
ぎちょう
)
の事を
以
(
もっ
)
てす。帝の
意
(
こころ
)
、敬を用いんとする
也
(
なり
)
。敬たゞ
涕泣
(
ていきゅう
)
して
可
(
き
)
かず。帝
猶
(
なお
)
殺すに忍びず。
道衍
(
どうえん
)
白
(
もう
)
す、
虎
(
とら
)
を養うは
患
(
うれい
)
を
遺
(
のこ
)
すのみと。帝の意
遂
(
つい
)
に決す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“涕泣”の意味
《名詞》
涙を流して泣くこと。
(出典:Wiktionary)
涕
漢検1級
部首:⽔
10画
泣
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
“涕”で始まる語句
涕
涕涙
涕垂
涕汁
涕泗