“纏頭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんとう67.6%
はな20.6%
しゅうぎ5.9%
ちっぷ2.9%
ひきでもの2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小桜姫とレツドローズ嬢とは両派の名妓にして彼が一月の纏頭てんとうは二万円を下らずといふ。世人この地を称して楽園と呼びまた白魔窟と呼ぶ。
四百年後の東京 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ちょっと手土産てみやげがわりという纏頭はなでも、百両千両はきれいにおきになるお大尽。おっかさん、どうでしょう?
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
纏頭しゅうぎをするぞ。それ、にしきを着てけ。」
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清岡はその晩、君江が物言いのしずかなのと、挙動の疎暴でないのを殊更うれしく思って、纏頭ちっぷは拾円奮発してその帰途をそっと外で待っていた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
滿座の人々感に堪へざるはなく、中宮ちゆうぐうよりは殊に女房を使に纏頭ひきでもの御衣おんぞを懸けられければ、二人は面目めんもく身に餘りて退まかり出でぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)