“纏夤”の読み方と例文
読み方割合
てんいん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は玉梓たまづさの悪霊を代表すると共に、仏説の所謂いはゆる凡悩ぼんなうなるものを代表せり、この凡悩の人間に纏夤てんいんするの実象を縮めて、之を伏姫と呼べる清浄無垢の女姫に加へたり。
れども事のこゝに至りて、始めて妄執の妄執たるを達破し、妄愛の纏夤てんいんしたるを頓脱し、恋愛の方向一転して、皮膚の愛慕を転じて内部精神の美に対する高妙なる愛慕を興発せり。
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)