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鼻
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はな
ふりがな文庫
“
鼻
(
はな
)” の例文
仕立屋さんはそのつぼをみんなしらべて、いちいちもちあげては、
鼻
(
はな
)
をくっつけてみました。そのあげくのはてに、こういいました。
いさましい ちびの仕立屋さん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
おばあさんは、いい
香水
(
こうすい
)
の
匂
(
にお
)
いが、
少女
(
しょうじょ
)
の
体
(
からだ
)
にしみているとみえて、こうして
話
(
はな
)
している
間
(
あいだ
)
に、ぷんぷんと
鼻
(
はな
)
にくるのを
感
(
かん
)
じました。
月夜と眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ものゝ
感
(
かん
)
じ
方
(
かた
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
鋭敏
(
えいびん
)
で、
鼻
(
はな
)
・
耳
(
みゝ
)
・
肌
(
はだ
)
などに
觸
(
ふ
)
れるものを
鋭
(
するど
)
く
受
(
う
)
け
取
(
と
)
ることの
出來
(
でき
)
た
珍
(
めづら
)
しい
文學者
(
ぶんがくしや
)
であつたことを
見
(
み
)
せてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「ここの
山際
(
やまぎわ
)
から、
彼方
(
かなた
)
、石井山の
蛙
(
かわず
)
ヶ
鼻
(
はな
)
の下まで、筑前が馬を走らすゆえ、その馬蹄のあとを、築堤の縄とりとせい。よろしいか」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さも
以
(
に
)
たり。
近
(
ちか
)
づく
儘
(
まゝ
)
に。
馨
(
にほ
)
ふ
香
(
か
)
は。そも
時
(
かう
)
款貨舖
(
ぐや
)
の。
娘
(
むすめ
)
かも。
指
(
ゆび
)
に
挾
(
はさ
)
める。
香盆
(
かうばこ
)
の。
何爲
(
なにこと
)
なりや。
時々
(
とき/\
)
に。
鼻
(
はな
)
に
翳
(
かさ
)
して。
嚊
(
か
)
くめるは。
「西周哲学著作集」序
(旧字旧仮名)
/
井上哲次郎
(著)
▼ もっと見る
鄰家
(
となり
)
はと、
穴
(
あな
)
から
少
(
すこ
)
し、
恁
(
か
)
う
鼻
(
はな
)
の
尖
(
さき
)
を
出
(
だ
)
して、
覗
(
のぞ
)
くと、おなじやうに、
提灯
(
ちやうちん
)
を
家族
(
みんな
)
で
袖
(
そで
)
で
包
(
つゝ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
魂
(
たましひ
)
なんど
守護
(
しゆご
)
するやうに——
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薯蕷
(
じねんじやう
)
掘
(
ほ
)
る
九州
(
きうしゆう
)
の
山奥
(
やまおく
)
に
到
(
いた
)
るまで
石版画
(
せきばんゑ
)
と
赤本
(
あかほん
)
は
見
(
み
)
ざるの
地
(
ち
)
なしと
鼻
(
はな
)
うごめかして
文学
(
ぶんがく
)
の
功徳
(
くどく
)
無量広大
(
むりやうくわうだい
)
なるを
説
(
と
)
く
当世男
(
たうせいをとこ
)
殆
(
ほと
)
んど
門並
(
かどなみ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
と
御相談
(
ごそうだん
)
をおかけになりました。この
乳母
(
うば
)
は
大
(
たい
)
そうりこう
振
(
ぶ
)
った女でしたから、
相談
(
そうだん
)
をかけられると、とくいらしく
鼻
(
はな
)
をうごめかして
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一
風呂
(
ふろ
)
浴
(
あ
)
びて
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れゆけば
突
(
つき
)
かけ
下駄
(
げた
)
に七五三の
着物
(
きもの
)
、
何屋
(
なにや
)
の
店
(
みせ
)
の
新妓
(
しんこ
)
を
見
(
み
)
たか、
金杉
(
かなすぎ
)
の
糸屋
(
いとや
)
が
娘
(
むすめ
)
に
似
(
に
)
て
最
(
も
)
う一
倍
(
ばい
)
鼻
(
はな
)
がひくいと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
或
(
ある
)
ひはまた
廷臣
(
ていしん
)
の
鼻
(
はな
)
の
上
(
うへ
)
を
走
(
はし
)
る、と
叙任
(
ぢょにん
)
を
嗅出
(
かぎだ
)
す
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
る、
或
(
ある
)
ひは
獻納豚
(
をさめぶた
)
の
尻尾
(
しっぽ
)
の
毛
(
け
)
で
牧師
(
ぼくし
)
の
鼻
(
はな
)
を
擽
(
こそぐ
)
ると、
僧
(
ばうず
)
め、
寺領
(
じりゃう
)
が
殖
(
ふ
)
えたと
見
(
み
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ジョバンニまでなんだか
鼻
(
はな
)
が
変
(
へん
)
になりました。けれどもいつともなく
誰
(
だれ
)
ともなくその歌は歌い出されだんだんはっきり強くなりました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
此時
(
このとき
)
家
(
いへ
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
皿
(
さら
)
が
歩兵
(
ほへい
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
を
眞直
(
まつすぐ
)
に、それから
鼻
(
はな
)
の
尖
(
さき
)
を
掠
(
かす
)
つて、
背後
(
うしろ
)
にあつた一
本
(
ぽん
)
の
木
(
き
)
に
當
(
あた
)
つて
粉々
(
こな/″\
)
に
破
(
こわ
)
れました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
火の中に尾はふたまたなる
稀有
(
けう
)
の大
猫
(
ねこ
)
牙
(
きば
)
をならし
鼻
(
はな
)
をふき
棺
(
くわん
)
を目がけてとらんとす。人々これを見て棺を
捨
(
すて
)
、こけつまろびつ
逃
(
にげ
)
まどふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
裏戸口
(
うらとぐち
)
の
柹
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
据
(
す
)
ゑられた
風呂
(
ふろ
)
には
牛
(
うし
)
が
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して
鼻
(
はな
)
を
舐
(
な
)
めづつて
居
(
ゐ
)
る
樣
(
やう
)
な
焔
(
ほのほ
)
が
煙
(
けぶり
)
と
共
(
とも
)
にべろ/\と
立
(
た
)
つて
燻
(
いぶ
)
りつゝ
燃
(
も
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
二三日前に
頭
(
あたま
)
を刈つたと見えて、
髪
(
かみ
)
が甚だ
短
(
みぢか
)
い。
髭
(
ひげ
)
の
端
(
はじ
)
が濃く出てゐる。
鼻
(
はな
)
も
向
(
むか
)
ふを
向
(
む
)
ひてゐる。鼻の穴がすうすう云ふ。安眠だ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
眼
(
め
)
に
掩
(
おほ
)
ひ
被
(
かぶ
)
さつてる
眉
(
まゆ
)
は
山羊
(
やぎ
)
のやうで、
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
の
佛頂面
(
ぶつちやうづら
)
、
脊
(
せ
)
は
高
(
たか
)
くはないが
瘠
(
や
)
せて
節塊立
(
ふしくれだ
)
つて、
何處
(
どこ
)
にか
恁
(
か
)
う一
癖
(
くせ
)
ありさうな
男
(
をとこ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
たずねて
村役人
(
むらやくにん
)
の
家
(
いえ
)
へいくと、あらわれたのは、
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
落
(
お
)
ちかかるように
眼鏡
(
めがね
)
をかけた
老人
(
ろうじん
)
でしたので、
盗人
(
ぬすびと
)
たちはまず
安心
(
あんしん
)
しました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
痩
(
やせ
)
た
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼
(
め
)
が
再
(
ふたた
)
び
春重
(
はるしげ
)
の
顔
(
かお
)
に
戻
(
もど
)
った
時
(
とき
)
、
春重
(
はるしげ
)
はおもむろに、ふところから
何物
(
なにもの
)
かを
取出
(
とりだ
)
して
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
にひけらかした。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ニールスは、自分の追いかけている犬が、
鼻
(
はな
)
がとがっていて、しゃがれた、いじわるい声をしているのに気がつくと、びっくりしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
抽斗
(
ひきだし
)
を
透
(
すか
)
して、
私
(
そつ
)
と
背負揚
(
しよいあげ
)
を
引張出
(
ひつぱりだ
)
して
見
(
み
)
ると、
白粉
(
おしろい
)
やら
香水
(
かうすゐ
)
やら、
女
(
をんな
)
の
移香
(
うつりが
)
が
鼻
(
はな
)
に
通
(
かよ
)
つて、
私
(
わたし
)
の
胸
(
むね
)
は
妙
(
めう
)
にワク/\して
来
(
き
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
鼻
(
はな
)
さきでもえる火を見ては、くまもがまんができなかったのだろう。どしんと大きな音をひびかせて、うしろへとびのいた。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
そして
鋭
(
するど
)
い
歯
(
は
)
をむき
出
(
だ
)
しながら
子家鴨
(
こあひる
)
のそばに
鼻
(
はな
)
を
突
(
つ
)
っ
込
(
こ
)
んでみた
揚句
(
あげく
)
、それでも
彼
(
かれ
)
には
触
(
さわ
)
らずにどぶんと
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んでしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この長庵から見ますれば、旦那などは
鼻
(
はな
)
っ垂らし、と云って
憤
(
おこ
)
っちゃ
不可
(
いけ
)
ませんぜ、鼻っ垂らしのデクの棒、お話しにも何にもなりゃアしねえ。
村井長庵記名の傘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
活東子
(
くわつとうし
)
は
鼻
(
はな
)
を
蠢
(
うご
)
めかして『いや、
之
(
これ
)
は、
埴輪
(
はにわ
)
よりずツと
古
(
ふる
)
い
時代
(
じだい
)
の
遺物
(
ゐぶつ
)
です。
石器時代
(
せききじだい
)
の
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
です』と
説明
(
せつめい
)
した。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
竿と、ビクとを
携
(
たずさ
)
えた漁師の子供が二人——
夫婦
(
めど
)
ヶ
鼻
(
はな
)
の方から、ここへ通りかかって、ふと
件
(
くだん
)
の滑稽なる持腐れを発見した第一の人となりました。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
使節が馬車に乗って行くと、両側の子供らが
鼻
(
はな
)
の前へ手を当てワイワイいっている。使節はなんのことやら合点が行かぬので、通訳官にだたすと
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
頭から顔じゅうをほうたいでぐるぐる
巻
(
ま
)
き、ほうたいの白い中から
鼻
(
はな
)
だけが赤くのぞいていて、そのぶきみさは、
全身
(
ぜんしん
)
の毛がそうけ立つほどだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
流して頼みけれども女房お粂は
鼻
(
はな
)
で
會釋
(
あしらひ
)
那
(
あれ
)
も孝行是も孝行と其
度
(
たび
)
毎
(
ごと
)
に金を貸ては私どもの
腮
(
あご
)
が
干上
(
ひあが
)
る元々神田に居られし時は不自由もなき
身代
(
しんだい
)
成しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
びっこで、
鼻
(
はな
)
くたの、薄気味悪いお客さまだ。しかし、
仕立卸
(
したておろ
)
しの
合
(
あい
)
トンビを初め、服装が
仲々
(
なかなか
)
立派なので、少々片輪者でも、宿の者は
鄭重
(
ていちょう
)
に取扱った。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「もし母さんが、僕を
可愛
(
かわい
)
くって食べちまうっていうんだったら、きっと
真
(
ま
)
っ
先
(
さき
)
に、
鼻
(
はな
)
っ
柱
(
ぱしら
)
へ
齧
(
かじ
)
りつくだろう」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ずつと
以前
(
いぜん
)
に
溯
(
さかのぼ
)
つて、
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
沈沒
(
ちんぼつ
)
當時
(
たうじ
)
の
實况
(
じつけう
)
。
小端艇
(
せうたんてい
)
で
漂流中
(
へうりうちう
)
のさま/″\の
辛苦
(
しんく
)
。
驟雨
(
にわかあめ
)
の
事
(
こと
)
。
沙魚
(
ふか
)
釣
(
つ
)
りの
奇談
(
きだん
)
。
腐
(
くさ
)
つた
魚肉
(
さかな
)
に
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
が
鼻
(
はな
)
を
摘
(
つま
)
んだ
話
(
はなし
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
陸
(
りく
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
ると、いつしか
我
(
わ
)
が
船
(
ふね
)
は
港
(
みなと
)
目近
(
まぢか
)
に
進
(
すゝ
)
んで、
桑港
(
さうかう
)
の
町々
(
まち/\
)
はつい
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
える。
我等
(
われら
)
の
泊
(
とま
)
るべきフェアモント・ホテルは
高
(
たか
)
い
丘
(
をか
)
の
上
(
うへ
)
に
突
(
つ
)
ツ
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
その娘は非常に
醜
(
みにく
)
くて青い
鼻
(
はな
)
汁をグスグスいはせてゐるが、××樣があたしをくどくのなんのと書いた
紙
(
かみ
)
を捨ておいて、いつもあたしを困らせてゐるのだつた。
お灸
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
次
(
つぎ
)
に
綺麗
(
きれい
)
な
首筋
(
くびすじ
)
、形の好い
鼻
(
はな
)
、ふツくりした
頬
(
ほゝ
)
、
丸味
(
まるみ
)
のある
顎
(
あご
)
、それから
生際
(
はえぎは
)
の好いのと
頭髪
(
かみのけ
)
に
艶
(
つや
)
のあるのと何うかすると
口元
(
くちもと
)
に
笑靨
(
ゑくぼ
)
が出來るのに目が付いた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
私
(
わたくし
)
は
直
(
ただ
)
ちにこれが
天狗
(
てんぐ
)
さんの
頭目
(
かしら
)
であるな、と
悟
(
さと
)
りましたが、かねて
想像
(
そうぞう
)
して
居
(
い
)
たのとは
異
(
ちが
)
って、
格別
(
かくべつ
)
鼻
(
はな
)
が
高
(
たか
)
い
訳
(
わけ
)
でもなく、ただ
体格
(
たいかく
)
が
普通人
(
ふつうじん
)
より
少
(
すこ
)
し
大
(
おお
)
きく
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この辺の、のでん賭博というのは、数人寄って
賽
(
さい
)
を転がしている
鼻
(
はな
)
ッ
張
(
ぱり
)
が、田舎者を釣りよせては巻き上げるのですが、賭博場の景物には、皆春画を並べてある。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
餅
(
もち
)
が
通
(
とほ
)
つたか……おや/\
貴方
(
あなた
)
の
目
(
め
)
が
明
(
あ
)
きましたな。乞「
目
(
め
)
が
明
(
あ
)
ひましたが、
鼻
(
はな
)
が
斯
(
く
)
んなになりました。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたし
)
はまた
何
(
なに
)
かの
小言
(
こごと
)
でも
聞
(
き
)
くのかと
思
(
おも
)
つて、
軍曹
(
ぐんそう
)
の
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
にチヨツピリ
生
(
は
)
えた
口髭
(
くちひげ
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
其
(
そ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
遠
(
とほ
)
くから、
鼻
(
はな
)
を
摘
(
つ
)
まみつゝ
檢死
(
けんし
)
の
模樣
(
もやう
)
を
見
(
み
)
たがつてゐる
群衆
(
ぐんしう
)
の
耳
(
みゝ
)
まで
響
(
ひゞ
)
くほど
高
(
たか
)
かつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
鼻
(
はな
)
の下だの、
眉毛
(
まゆげ
)
の辺だのには、
逞
(
たくま
)
しいむく
毛
(
げ
)
が
茫々
(
ぼう/\
)
と生えて、人間の顔のような感じはしない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
いかにそゝツかしい
山家
(
やまが
)
の
鼠
(
ねずみ
)
でも、そこに
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
る
女
(
をんな
)
の
人
(
ひと
)
の
鼻
(
はな
)
を
間違
(
まちが
)
へて、お
芋
(
いも
)
かなんかのやうに
食
(
た
)
べようとしたなんて、そんなことはめつたに
聞
(
き
)
かない
惡戯
(
いたづら
)
ですから。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
皆
(
みな
)
さんは、人間の
身体
(
からだ
)
は右と左とまったく同じだと、思っていますでしょう。右と左とにそれぞれ、
眼
(
め
)
が一つ、耳が一つ、
鼻
(
はな
)
が半分、口が半分、手が一つ、足が一つ……。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
へとへとになった馬のからだからも、
熱
(
あつ
)
い
息
(
いき
)
をはく馬の
鼻
(
はな
)
からも、こおった
湯気
(
ゆげ
)
がふうふうたっている。かさかさした雪をふみしだく
蹄鉄
(
ていてつ
)
が、
敷石
(
しきいし
)
にあたって
鳴
(
な
)
りわたる。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
背
(
せ
)
は
左
(
さ
)
まで
高
(
たか
)
くはないが、
骨太
(
ほねぶと
)
の
肉附
(
にくづき
)
の
良
(
い
)
い、
丸顏
(
まるがほ
)
の
頭
(
あたま
)
の
大
(
おほ
)
きな
人
(
ひと
)
で
眦
(
まなじり
)
が
長
(
なが
)
く
切
(
き
)
れ、
鼻
(
はな
)
高
(
たか
)
く
口
(
くち
)
緘
(
しま
)
り、
柔和
(
にうわ
)
の
中
(
なか
)
に
威嚴
(
ゐげん
)
のある
容貌
(
かほつき
)
で、
生徒
(
せいと
)
は
皆
(
み
)
な
能
(
よ
)
く
馴
(
な
)
れ
親
(
した
)
しんで
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
何れも面部の
周圍
(
しうゐ
)
に
沿
(
そふ
)
て横長き
橢圓形
(
だえんけい
)
の隆まり有り。且つ額の部には輪廓の上縁より
多少
(
たせう
)
下
(
した
)
の方に向ひて
延
(
のび
)
たる隆まり有り。一
見
(
けん
)
鼻
(
はな
)
の如くなれど
其位置
(
そのゐち
)
上部
(
じやうぶ
)
に寄り過ぎたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
ハハハ その通りぢや それからニャン子は
足
(
あし
)
をなめたり 耳や
鼻
(
はな
)
を何
度
(
ど
)
も洗ふときがあるね
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
元就はそういう家臣の反対を押切って、今の要害
鼻
(
はな
)
に城を築いた。現在連絡船で厳島へ渡ると、その船着場の後の小高い山がこの城址である。城は弘治元年六月頃に完成した。
厳島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
山田
(
やまだ
)
の
書斎
(
しよさい
)
は八
畳
(
ぢやう
)
の
間
(
ま
)
でしたが、
其
(
それ
)
に
机
(
つくゑ
)
を
相対
(
さしむかひ
)
に
据
(
す
)
ゑて、
北向
(
きたむき
)
の
寒
(
さむ
)
い
武者窓
(
むしやまど
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
い
間
(
ま
)
に
立籠
(
たてこも
)
つて、
毎日
(
まいにち
)
文学の話です、
此
(
こゝ
)
に
二人
(
ふたり
)
が
鼻
(
はな
)
を
並
(
なら
)
べて
居
(
ゐ
)
るから
石橋
(
いしばし
)
も
繁
(
しげ
)
く訪ねて来る
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
仏
(
ほとけ
)
造
(
つく
)
る
真朱
(
まそほ
)
足
(
た
)
らずは
水
(
みづ
)
たまる
池田
(
いけだ
)
の
朝臣
(
あそ
)
が
鼻
(
はな
)
の
上
(
うへ
)
を
穿
(
ほ
)
れ 〔巻十六・三八四一〕 大神朝臣
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
一休
(
いっきゅう
)
さんは、
幼時
(
ようじ
)
から、
目
(
め
)
から
鼻
(
はな
)
に
抜
(
ぬ
)
けるような、りこうな
子供
(
こども
)
でしたが、そのりこうさが、
仏門
(
ぶつもん
)
に
入
(
はい
)
ってみがきをかけられ、
後世
(
こうせい
)
にのこるような
英僧
(
えいそう
)
にとなったわけでしょう。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
“鼻”の意味
《名詞》
(はな)身体の嗅覚を認識するための器官。顔のほぼ中央部に隆起し、呼吸のための穴を備える。
(出典:Wiktionary)
“鼻”の解説
鼻(はな)は、動物の器官のひとつで、嗅覚をつかさどる感覚器、そして呼吸をするための呼吸器である。飲食物はじめにおいを嗅ぐ点で、口の補助的役割も務める。
(出典:Wikipedia)
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
“鼻”を含む語句
鼻頭
鼻梁
鼻垂
鼻面
鼻孔
獅子鼻
鼻端
犢鼻褌
鼻汁
酸鼻
鼻腔
鼻先
目鼻立
鼻白
前鼻緒
象鼻
水鼻
鼻髯
鼻緒
鼻唄
...