“魚肉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぎよにく37.5%
さかな25.0%
ぎょにく12.5%
なまぐさ12.5%
にく12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父はその時から命のをはるまで納豆を食はずにしまつただらうと僕はおもふ。父は食べものの精進しやうじんもした。しかしさういふ普通の精進の魚肉ぎよにくを食はぬほかに穀断ごくだち塩断しほだちなどもした。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
敬太郎がどんな味がすると聞くと、森本はよく思い出せないが、何でも魚肉さかな獣肉にくの間ぐらいだろうと答えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
船員たちも、それぞれの部屋で、じぶんたちの仲間が目の前でとったサケを料理のさらの中に見出した。その魚肉ぎょにくの上には、つまようじにつけた小さな旗がそえてあった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
なに忘れてッたのじゃアえ、コウ見ねえ、魚肉なまぐさへえってる折にわざ/\熨斗のしはさんであるから、進上というのに違いねえ、独身もので不自由というところを察して持って来たんだ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこへ塩気しおけがつく、腥気なまぐさっけがつく、魚肉にく迸裂はぜて飛んで額際ひたいぎわにへばり着いているという始末、いやはや眼も当てられない可厭いやいじめようで、叔母のする事はまるで狂気きちがいだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)