“なまぐさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.4%
生臭14.5%
腥膻6.1%
腥臭3.1%
生腥1.5%
腥羶1.5%
醒臭1.5%
生草0.8%
腥物0.8%
腥蕈0.8%
血腥0.8%
魚肉0.8%
魚臭0.8%
魚血0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時は熊の胆の色が少しくれないを含んで、咽喉を出る時なまぐさかおりがぷんと鼻をいたので、余は胸を抑えながら自分で血だ血だと云った。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雑炊に禁物なのは、生臭なまぐさいことである。ゆえに生魚で作ることは考えものである。焼き魚であればたい、はも、はぜ、きすなどは最上である。
かれはどつかりすわつた、よこになつたがまた起直おきなほる。さうしてそでひたひながれる冷汗ひやあせいたが顏中かほぢゆう燒魚やきざかな腥膻なまぐさにほひがしてた。かれまたあるす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかし従来腥臭なまぐさいために余り魚類を好きませんでしたが、この頃は食味が一変してよくそれを食しています。牛肉は幼年時代から一串いっかんせる嗜好品ですが、鶏肉は余り喜びません。
「怒つたの怒らねえの、あの生腥なまぐさ法印、洒落しやれや皮肉は通用しさうもないと思つたら、身に覺えがあると見えて、ピンと來ましてね、『岡つ引奴、何を言うやがる。俺に何んの怨みがある』とね」
按摩済む頃、袴を着けたる男また出で来りて、神酒を戴かるべしとて十三、四なるに銚子酒杯さかずき取り持たせ、腥羶なまぐさはなけれど式立ちたる膳部を据えてもてなす。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
大概の醒臭なまぐさ坊主に引けを取らず、妾二人をたくはへてる外、講中の誰彼に手を出して、絶えず問題を作りますが、そんな不始末は不思議なことに狂信者達を驚かさなかつたのです。
根をんだ生草なまぐさだの、虫の足だの、鼠の骨などが散らかっていた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハイ。彼奴あいつが須崎の独房で、毎月十一日に腥物なまぐさを喰いよらんチウ事を、小耳に挟んでおりましたけに……十一日は藤六の命日で御座いますけに……」
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いちのあたりの人声、この時にぎやかに、古椎ふるしいこずえの、ざわざわと鳴る風の腥蕈なまぐささ。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白柄組の屋敷奉公にだんだんれて、おとなしい娘もこの頃では血腥なまぐさい喧嘩沙汰を犬の咬み合ほどにも思っていないらしかった。その落着きすました顔付が、母にはいよいよ不安の種であった。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なに忘れてッたのじゃアえ、コウ見ねえ、魚肉なまぐさへえってる折にわざ/\熨斗のしはさんであるから、進上というのに違いねえ、独身もので不自由というところを察して持って来たんだ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あんずるに、さけ鮮鱗とりたてはことさらに魚臭なまぐさきものゆゑにやあらん。けい鯸鮐こうちの一名ともいへばさけにはいよ/\とほし。とまれかくまれせいの字を知りて俗用ぞくようにはけいの字を用ふべし。
、それだけ出さんとかしおったら構う事アない。あの座敷にお獅子様を担ぎ込むんよ。例の魚血なまぐさを手足に塗りこくって暴れ込むんよ……久し振りにナ……
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)