“腥羶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なまぐさ66.7%
せいせん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洲の後面うしろの方もまた一尋ほどの流で陸と隔てられたる別世界、全然まるで浮世の腥羶なまぐさ土地つちとは懸絶れた清浄の地であつたまゝ独り歓び喜んで踊躍ゆやくしたが
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
按摩済む頃、袴を着けたる男また出で来りて、神酒を戴かるべしとて十三、四なるに銚子酒杯さかずき取り持たせ、腥羶なまぐさはなけれど式立ちたる膳部を据えてもてなす。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今弟のことばを聞いて、小婢しょうひの失踪したのと、土穴に腥羶せいせんの気があるのとの間に、何等かの関係があるように思った。そして同班の卒数人と共に、すきを持って咸宜観に突入して、穴の底を掘った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)