“鼻端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなさき66.7%
はなつぱし11.1%
はなつら11.1%
びたん11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
谷の下の方の林の中から一疋の大きな野猪が不意に出て来て、半兵衛の鼻端はなさきに触るように係蹄の傍へ往った。半兵衛は鉄砲をかまえた。
山の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そして、鼻端はなつぱしで旅人の埃だらけの足の甲を撫でた。
散文詩 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
多分ひどいかんが来さうなので、嘆いてゐるのであらう。犬は体を己の足に摩り寄せて、鼻端はなつらを突き出して、耳を立てて、闇の中に気を配つてゐる。
それもそのはず、葉れをそよがしつつ、のそ、のそ、と巨大な身躯しんくに背うねりを見せながら近づいて来る生き物がある。満身は金毛黒斑きんもうこくふ、針のごとき鼻端びたんの毛と、鏡のような双眸そうぼう
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)