トップ
>
鼻端
>
はなさき
ふりがな文庫
“
鼻端
(
はなさき
)” の例文
谷の下の方の林の中から一疋の大きな野猪が不意に出て来て、半兵衛の
鼻端
(
はなさき
)
に触るように係蹄の傍へ往った。半兵衛は鉄砲をかまえた。
山の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
右隣に私と顔を列べて居る人の、真白な、高い鼻の頭ばかりが、自分で自分の
鼻端
(
はなさき
)
を視詰める時のやうに、ぼんやりと見えて居る。鼻の持ち主は確かに女である。
Dream Tales
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
壮い婢は
何人
(
たれ
)
か
己
(
じぶん
)
を見ているものでもないかと云うようにして、ちらと後を見ておいて年老った婢の
鼻端
(
はなさき
)
へ近ぢかと顔を持って往った。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
小柄な男は右の手を握ってから人さし指ばかりを開き、それを
己
(
じぶん
)
の
鼻端
(
はなさき
)
に
触
(
さわ
)
るように持って往ったが、それは非常にすばしこいやり方であった。
女の首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼は
揮
(
ふ
)
り向いて鞭をふった。ベルセネフの
鼻端
(
はなさき
)
にその鞭が来た。ベルセネフはそれを避けて体を右にして立ち
止
(
どま
)
った。エルマはその
隙
(
すき
)
にまた走った。
警察署長
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
榻
(
ねだい
)
に寝た女が
蒼白
(
あおじろ
)
い左手を張り、その
掌
(
てのひら
)
で左の耳元を支えて、すぐ
鼻端
(
はなさき
)
に腰をかけた男とはなしているところであった。緑色の
被
(
おおい
)
をかけた電燈の光が、
艶
(
なまめ
)
かしく榻の
周囲
(
まわり
)
を照らしていた。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“鼻端”の意味
《名詞》
(びたん)鼻の先。
(びたん、はなっぱし)負けん気。
(出典:Wiktionary)
鼻
常用漢字
小3
部首:⿐
14画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“鼻”で始まる語句
鼻
鼻緒
鼻汁
鼻頭
鼻唄
鼻面
鼻梁
鼻息
鼻孔
鼻腔