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隔
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はな
ふりがな文庫
“
隔
(
はな
)” の例文
わしら人間はどんな深山に分け入っても、一度人間として暮したことのあるものは、どこまでも人間を
隔
(
はな
)
れることのできぬものじゃ。
あじゃり
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
教師が教場に出ても
志
(
こころざし
)
を遠きに
着
(
つ
)
け、役人が執務するに、俗務のために
没却
(
ぼっきゃく
)
されない、すなわち一
言
(
ごん
)
に
縮
(
ちぢ
)
めると、
吾人
(
ごじん
)
が人格としてまったく世を
隔
(
はな
)
れた思想をいだくと同時に
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その冷ややかな陰の
水際
(
みぎわ
)
に一人の丸く
肥
(
ふと
)
ッた
少年
(
こども
)
が釣りを
垂
(
た
)
れて深い清い
淵
(
ふち
)
の水面を余念なく見ている、その
少年
(
こども
)
を少し
隔
(
はな
)
れて柳の株に腰かけて、一人の旅人、零落と疲労をその
衣服
(
きもの
)
と
容貌
(
かお
)
に示し
河霧
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれどもみんなは少し
隔
(
はな
)
れた処で用心深くしてゐました。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
そのうち弟はひとりだけ姉のそばから
隔
(
はな
)
れた。いつものようにそういう時はすげなく見えたが、姉はべつに不思議そうにはしなかった。
童話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
何時も一人
隔
(
はな
)
れて坐るか、棒立ちになつてゐるかしてゐて、たとへ、遊んで貰へなくとも
尾
(
つ
)
いてさへ居れば、尾いてゐるだけで事足りてゐた。
めたん子伝
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
対手が自分とよほど
隔
(
はな
)
れたところにいる人だと、色紙の一枚も書こうという人間はわざと入念に書くものであった。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
若しこれを愛する人があるならば此のつくばいから四五尺
隔
(
はな
)
れたところに突然に植えて置く方が却ってよかろう。
庭をつくる人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
離れ山の洞窟のこの荒くれ男から、少し
隔
(
はな
)
れた切株の上に腰をおろしたわかい女は、なまなましい脚を組んで、やはり山麓をゆく一行を
徐
(
おもむろ
)
に見まもっていた。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
よい家庭にそだったノブスケは神戸の父母から
隔
(
はな
)
れていたから、も一軒自分が好きに遊べる家庭がいるらしく、十日めくらいに大森の私の家に通うていたのだ。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
これは正宗白鳥や徳田秋声の場合もおなじであったが、藤村の場合はあまりに
隔
(
はな
)
れたところに彼はいたし、幼少年者だった私の眼からは途方もない山嶽だったのだ。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
しかし、松岡は女から
隔
(
はな
)
れる気もちで、出来るだけの素気ない冷淡さをよそわねばならぬと思った。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
その生え方が一本は右に二本目は左に、三本目は笠が大きく少し離れて、四本目と五本目が右と左とに程よいほど離れていた。その
隔
(
はな
)
れ方に
得
(
え
)
も言われぬ妙味があった。
庭をつくる人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そして女の桝からやや
隔
(
はな
)
れた
桟敷
(
さじき
)
の囲いのそとに永く立っていた。私は胸に鼓動をかんじながら見ていると、女はお母さんと何か話をしいしい表の方へ目をやっていた。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
隔
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
“隔”を含む語句
間隔
懸隔
隔意
遠隔
隔離
隔絶
分隔
隔日
隔心
隔子
相隔
隔膜
疎隔
隔世
隔靴掻痒
横隔膜
離隔
阻隔
隔在的
隔月
...