はな)” の例文
「来られなかったのでございます。いえいえ正直に申します。来る気がなかったのでございます。はなから、あなたを騙しておりました」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
へへへ、こりゃどうも……。はなはちょいと入り組んだ事件だったんですが、なにしろ、下手人が出て、腹を
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
なにしろ、君、はなの一週間は助けたい助けたいで夜もろくに眠らないでしょう。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ふた親の人かて、はなから乞食してはつたんやないねや。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「それを何んぞや今聞けば、はなから腹にもくろみがあって、そいつの道具に俺を使い、恋をもてあそんでいたそうだな! さすがは!」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いずれはこうなるものと、はなっから、ちゃんとわかっていた。あのひとの思いの残っている土地を
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「でかしたのは俺の手柄じゃない。はなっから、ちゃんと筋が通っていたんだ」
顎十郎捕物帳:03 都鳥 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おのれはまだまだ疑ぐっているか! 疑がえばこそ出た言葉だ! その疑心のある以上、一緒に住んでもゆくゆくは、おおかた俺を裏切るだろう! 解る、解る、きっと裏切る! はなから俺を裏切って
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そうだよ、は泣かせるね。……こんなことなら、いっそはなッから頼りにするんじゃなかった。……当にしていたばっかりに、あっしの方はてんで持駒もちごまなし。……あっしのほうはどうしてくれるんです」
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
はなから数が少ないんで」
染吉の朱盆 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)