“持駒”の読み方と例文
読み方割合
もちごま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時々持駒もちごまくして、次の勝負の来るまで双方とも知らずにいたりした。それを母が灰の中から見付みつけ出して、火箸ひばしはさみ上げるという滑稽こっけいもあった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勝家としては、もうここでの戦備は充分としていたが、他方面にある手持の持駒もちごまたる味方の機動力が、全面的に動員されて来るには、機なお熟せず、とていたからであった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだよ、は泣かせるね。……こんなことなら、いっそはなッから頼りにするんじゃなかった。……当にしていたばっかりに、あっしの方はてんで持駒もちごまなし。……あっしのほうはどうしてくれるんです」
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)