“ちやぶだい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
餉台36.8%
食卓21.1%
茶餉台10.5%
卓子台5.3%
卓子臺5.3%
喫台5.3%
茶呑臺5.3%
茶湯台5.3%
茶餉臺5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
目の前の餉台ちやぶだいにあるお茶道具のことから、話が骨董こつとうにふれた。ちやうどさういふ趣味をもつてゐる養嗣子が、先刻さつきからきれで拭いてゐたつばを見せた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「まあ臺所だいどころ使つか食卓ちやぶだいか、たか/″\あら鐵瓶てつびんぐらゐしか、んなところぢやへたもんぢやありません」とつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
猪口ちよく一箇を置いた塗りの剥げた茶餉台ちやぶだいの前に、ふんどし一つの真つ裸のまゝ仰向けに寝ころび、骨と皮にせ細つた毛臑けずねの上に片つ方の毛臑を載せて
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
小雨こさめのかゝるやうに、水筋みづすぢつほど、いくらでも、といふ……なかばから、緑蝶夫人ろくてふふじんめて、ひとみせ、もう一人ひとりてのひらをひら/\うごかし、じり/\と卓子台ちやぶだい詰寄つめよると
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のまゝ、六でふ眞中まんなか卓子臺ちやぶだいまへに、どうすわると、目前めさきにちらつく、うすき、染色そめいろへるがごとく、ひたひおさへて、ぐつたりとつて、二度目どめ火鉢ひばちつてたのを、たれともらず
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
内の燈火あかしは常よりあざやかあるじが晩酌の喫台ちやぶだいを照し、火鉢ひばちけたるなべの物は沸々ふつふつくんじて、はや一銚子ひとちようしへたるに、いまだ狂女の音容おとづれはあらず。お峯はなかば危みつつも幾分の安堵あんどの思をもてあそび喜ぶ風情ふぜいにて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
四疊半の茶呑臺ちやぶだいの前に坐つて、髮の伸びたロイド眼鏡のZ・K氏は、綿のみ出た褞袍どてらを着て前跼まへかゞみにごほん/\咳き乍ら、私の用談を聞いた。
足相撲 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
硝子ガラスの戸を開けてはひると、カフェーらしく椅子いす、テーブルの土間もあり、座敷には茶湯台ちやぶだいも備はつてをり、居間といふか茶の間といふか、そちらには長火鉢ながひばちも置いてあり
椎の若葉 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
夜、膝を突き合せて二人は引越し蕎麥そばを食べた。小さな机を茶餉臺ちやぶだい代りにして、好物のねぎ韲物あへものを肴に、サイダーの空壜に買つて來た一合の酒を酌み交はし、心ばかりの祝をした。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)