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腰掛
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こしか
ふりがな文庫
“
腰掛
(
こしか
)” の例文
日曜日で、列車はわりにたて混んでいたが、それでも車室の一番隅っこに、まだ誰も
腰掛
(
こしか
)
けていない上等のボックスがみつかった。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
と
祖母
(
おばあ
)
さんは
例
(
れい
)
の
玄關
(
げんくわん
)
の
側
(
わき
)
にある
機
(
はた
)
に
腰掛
(
こしか
)
けまして、
羽織
(
はおり
)
にする
黄
(
き
)
八
丈
(
ぢやう
)
の
反物
(
たんもの
)
と、
子供
(
こども
)
らしい
帶地
(
おびぢ
)
とを
根氣
(
こんき
)
に
織
(
お
)
つて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
父はベンチに
腰掛
(
こしか
)
けて、
鞭
(
むち
)
の先で砂に何やら書きながら、半ばは注意ぶかく、半ばは放心のていで、わたしの話を
聴
(
き
)
いていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
彼
(
かれ
)
は、
青草
(
あおくさ
)
の
上
(
うえ
)
へ
腰
(
こし
)
をおろそうとしたが、そばに
小
(
ちい
)
さな
茶店
(
ちゃみせ
)
があるのに
気
(
き
)
づいたので、さっそく
入
(
はい
)
って
腰掛
(
こしか
)
けへ
休
(
やす
)
みました。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
くろへ
腰掛
(
こしか
)
けてこぼこぼはっていく
温
(
あたたか
)
い水へ足を入れていてついとろっとしたらなんだかぼくが
稲
(
いね
)
になったような気がした。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
ジャンセエニュ
先生
(
せんせい
)
は高い
椅子
(
いす
)
に
姿勢
(
しせい
)
を
真直
(
まっすぐ
)
にして
腰掛
(
こしか
)
けていらっしゃいます。
厳格
(
げんかく
)
ですけれど、
優
(
やさ
)
しい
先生
(
せんせい
)
です。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
腰掛
(
こしか
)
けも、窓ぎわのテーブルも、それから、いまニールスのねている大きなベッドも、いろんな色どりをした
戸棚
(
とだな
)
も、みんな壁にくっついていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
親
(
おや
)
と
親
(
おや
)
との
許嫁
(
いひなづけ
)
でも、
十年
(
じふねん
)
近
(
ちか
)
く
雙方
(
さうはう
)
不沙汰
(
ぶさた
)
と
成
(
な
)
ると、
一寸
(
ちよつと
)
樣子
(
やうす
)
が
分
(
わか
)
り
兼
(
かね
)
る。
況
(
いはん
)
や
叔父
(
をぢ
)
と
甥
(
をひ
)
とで
腰掛
(
こしか
)
けた
團子屋
(
だんごや
)
であるから、
本郷
(
ほんがう
)
に
住
(
す
)
んで
藤村
(
ふぢむら
)
の
買物
(
かひもの
)
をするやうな
譯
(
わけ
)
にはゆかぬ。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それは探偵用の自動車で、
腰掛
(
こしか
)
けの下に人間がかくれることもできますし、また、そこには、いろいろな変装の道具もいれてあるのです。携帯無線電話の箱も、おいてあります。
電人M
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
花前は、耳で
合点
(
がてん
)
したともいうべきふうをして
仕事
(
しごと
)
にかかる。
片手
(
かたて
)
にしぼりバケツと
腰掛
(
こしか
)
けとを持ち、
片手
(
かたて
)
に
乳房
(
ちぶさ
)
を
洗
(
あら
)
うべき
湯
(
ゆ
)
をくんで、じきにしぼりにかかる。花前もここでは
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
などゝ
態
(
わざ
)
と
聽
(
きこ
)
えよがしに
並
(
なら
)
んで
腰掛
(
こしか
)
けて
居
(
を
)
る
年
(
とし
)
の
若
(
わか
)
い
男
(
をとこ
)
と
耳語
(
さゝや
)
いて
居
(
を
)
るのだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
是
(
これ
)
から
案内
(
あんない
)
に
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
き、
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
ると
葭簀張
(
よしずばり
)
の
腰掛
(
こしか
)
け
茶屋
(
ぢやゝ
)
で、
奥
(
おく
)
が
住居
(
すまゐ
)
になつて
居
(
を
)
り、
戸棚
(
とだな
)
が
三
(
みつ
)
つばかり
有
(
あ
)
り、
棚
(
たな
)
が
幾
(
いく
)
つも
有
(
あ
)
りまして、
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
、ラムネ、
麦酒
(
ビール
)
などの
壜
(
びん
)
が
幾本
(
いくほん
)
も並んで
居
(
ゐ
)
て
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『ほんにそうでございました。
丁度
(
ちょうど
)
ここに
手頃
(
てごろ
)
の
腰掛
(
こしか
)
けがございます。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
去年
腰掛
(
こしか
)
けし石をさがすかな。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ぼくおおねえさんのとこへ行くんだよう。」
腰掛
(
こしか
)
けたばかりの男の子は顔を変にして燈台看守の向うの席に座ったばかりの青年に云いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
三
人
(
にん
)
の
令嬢
(
れいじょう
)
たちは、
今夜
(
こんや
)
、このへやで
音楽会
(
おんがくかい
)
を
開
(
ひら
)
く
相談
(
そうだん
)
をしていました。そして、あたりを
片
(
かた
)
づけたり、
額
(
がく
)
を
懸
(
か
)
け
換
(
か
)
えたり、いくつも
腰掛
(
こしか
)
けを
持
(
も
)
ってきたりしました。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしは、
枝
(
えだ
)
をひろげた
一叢
(
ひとむら
)
のニワトコの
陰
(
かげ
)
の、低いベンチに
腰掛
(
こしか
)
けていた。わたしは、この場所が好きだった。ジナイーダの部屋の窓が、そこから見えたからである。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
さういふ
煙
(
けむり
)
の
見
(
み
)
えるところにかぎつて、
旅人
(
たびびと
)
の
腰掛
(
こしか
)
けて
休
(
やす
)
んで
行
(
ゆ
)
く
休茶屋
(
やすみぢやや
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
褄
(
つま
)
はづれさへ
偲
(
しの
)
ばるゝ、
姿
(
すがた
)
は
小造
(
こづく
)
りらしいのが、
腰掛
(
こしか
)
けた
背
(
せ
)
はすらりと
高
(
たか
)
い。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
石に
腰掛
(
こしか
)
け
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ぼく、おおねえさんのとこへ行くんだよう」
腰掛
(
こしか
)
けたばかりの男の子は顔を
変
(
へん
)
にして
燈台看守
(
とうだいかんしゅ
)
の
向
(
む
)
こうの
席
(
せき
)
にすわったばかりの青年に
言
(
い
)
いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
燭台
(
しょくだい
)
の
古
(
ふる
)
いのや、
南洋
(
なんよう
)
の
土人
(
どじん
)
が
織
(
お
)
ったような
織物
(
おりもの
)
や、またオランダあたりからきたつぼや、
支那人
(
しなじん
)
の
腰掛
(
こしか
)
けていたような
椅子
(
いす
)
や、ストーブのさびたのなどまで
置
(
お
)
かれてありました。
お父さんの見た人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
多勢
(
おほぜい
)
の
旅人
(
たびびと
)
が
腰掛
(
こしか
)
けて、めづらしさうにお
蕎麥
(
そば
)
のおかはりをして
居
(
ゐ
)
ました。
伯父
(
をぢ
)
さんは
父
(
とう
)
さん
達
(
たち
)
にも
山
(
やま
)
のやうに
盛
(
も
)
りあげたお
蕎麥
(
そば
)
を
奢
(
をご
)
りまして、
草臥
(
くたぶ
)
れて
行
(
ゆ
)
つた
足
(
あし
)
を
休
(
やす
)
ませて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
車室の中は、青い
天蚕絨
(
びろうど
)
を張った
腰掛
(
こしか
)
けが、まるでがら明きで、向うの
鼠
(
ねずみ
)
いろのワニスを塗った
壁
(
かべ
)
には、
真鍮
(
しんちゅう
)
の大きなぼたんが二つ光っているのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いつも
快活
(
かいかつ
)
で、そして、また
独
(
ひと
)
りぼっちに
自分
(
じぶん
)
を
感
(
かん
)
じた
年子
(
としこ
)
は、しばらく、
柔
(
やわ
)
らかな
腰掛
(
こしか
)
けにからだを
投
(
な
)
げて、うっとりと、
波立
(
なみだ
)
ちかがやきつつある
光景
(
こうけい
)
に
見
(
み
)
とれて、
夢心地
(
ゆめごこち
)
でいました。
青い星の国へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
車室の中は、青い
天鵞絨
(
ビロード
)
を
張
(
は
)
った
腰掛
(
こしか
)
けが、まるでがらあきで、
向
(
む
)
こうの
鼠
(
ねずみ
)
いろのワニスを
塗
(
ぬ
)
った
壁
(
かべ
)
には、
真鍮
(
しんちゅう
)
の大きなぼたんが二つ光っているのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
(まあ地図をお見せなさい。お
掛
(
か
)
けなさい。)嘉吉は自分も前
小林区
(
しょうりんく
)
に
居
(
い
)
たので地図は明るかった。学生は地図を
渡
(
わた
)
しながら云われた通りしきいに
腰掛
(
こしか
)
けてしまった。
十六日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山男はお日さまに
向
(
む
)
いて
倒
(
たお
)
れた木に
腰掛
(
こしか
)
けて何か鳥を引き
裂
(
さ
)
いてたべようとしているらしいのですが、なぜあの
黝
(
くろず
)
んだ
黄金
(
きん
)
の
眼玉
(
めだま
)
を
地面
(
じめん
)
にじっと
向
(
む
)
けているのでしょう。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
アラムハラドは長い白い
着物
(
きもの
)
を着て学者のしるしの
垂
(
た
)
れ
布
(
ぬの
)
のついた
帽子
(
ぼうし
)
をかぶり
低
(
ひく
)
い
椅子
(
いす
)
に
腰掛
(
こしか
)
け右手には長い
鞭
(
むち
)
をもち左手には本を
支
(
ささ
)
えながらゆっくりと教えて行くのでした。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そしたら、きのこの上に、ひょっこり三
疋
(
びき
)
の小猿があらわれて
腰掛
(
こしか
)
けました。
さるのこしかけ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
腰
常用漢字
中学
部首:⾁
13画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“腰掛”で始まる語句
腰掛台
腰掛松
腰掛梁
腰掛け
腰掛場
腰掛臺
腰掛覆
腰掛迄
腰掛茶屋
腰掛茶店