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出端
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では
ふりがな文庫
“
出端
(
では
)” の例文
谷へ
挟
(
はさ
)
まって、
出端
(
では
)
を失った風が、この底を
掬
(
すく
)
うようにして通り抜ける。黒いものは網の目を
洩
(
も
)
れた
雑魚
(
ざこ
)
のごとく四方にぱっと散って行く。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その次の中入後のワキ・ワキヅレの
待謡
(
まちうたひ
)
から、後ジテの
出端
(
では
)
の登場・
神舞
(
かみまひ
)
・
切
(
きり
)
のロンギまでは、全曲の急の部分であるから、これはテンポを早めて颯爽たる所を見せねばならぬ。
演出
(新字旧仮名)
/
野上豊一郎
(著)
やがて鼻と口を
塞
(
せ
)
かれた感動が、
出端
(
では
)
を失って、眼の中にたまって来た。
睫
(
まつげ
)
が重くなる。
瞼
(
まぶた
)
が熱くなる。
大
(
おおい
)
に困った。安さんも妙な顔をしている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
出端
(
では
)
のない行きどまりに立つくらいなら、もう一遍引き返して、新らしい
途
(
みち
)
を探す方がましだとも考えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
落雷を、
土中
(
どちゅう
)
に
埋
(
うず
)
めて、自由の響きを
束縛
(
そくばく
)
したように、
渋
(
しぶ
)
って、
焦
(
いら
)
って、
陰
(
いん
)
に
籠
(
こも
)
って、
抑
(
おさ
)
えられて、岩にあたって、包まれて、激して、
跳
(
は
)
ね返されて、
出端
(
では
)
を失って、ごうと
吼
(
ほ
)
えている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“出”で始まる語句
出
出来
出入
出鱈目
出來
出会
出立
出逢
出掛
出雲