“幾棟”の読み方と例文
読み方割合
いくむね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一代の中に幾棟いくむねかの家を建て、大きな建築を起したという人だけあって、ありあまる精力は老いた体躯からだ静止じっとさして置かなかった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
麦畑のはてには、長者のやしきの構えのなかに建てつらねた、堅魚木かつおぎのある檜肌葺ひわだぶきの屋根が幾棟いくむねとなく見えておりました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
対岸にある倉庫や石置場のようなものが雨に煙って、右手に見える無気味な大きな橋のたもとに、幾棟いくむねかの灰色の建築の一つから、灰色の煙が憂鬱ゆううつなびいていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)