“いくむね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
幾棟88.9%
幾軒11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
対岸にある倉庫や石置場のようなものが雨に煙って、右手に見える無気味な大きな橋のたもとに、幾棟いくむねかの灰色の建築の一つから、灰色の煙が憂鬱ゆううつなびいていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
茅場町かやばちょうの通りから斜めにさし込んで来る日光ひかげで、向角むこうかどに高く低く不揃ふぞろいに立っている幾棟いくむねの西洋造りが、屋根と窓ばかりで何一ツ彫刻の装飾をも施さぬ結果であろう。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「根本の神」のやしろであって、大理石造りの宏大な社、社は幾軒いくむねにも分かれていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)